膿瘍形成虫垂炎の保存的加療 - ドレナージ, 抗菌薬について

「要旨」 2011年より膿瘍形成虫垂炎に対してinterval appendectomy (IA)を導入し保存的治療を行ってきた. 今回ドレナージ, 抗菌薬の現状と効果を調べ, 今後の治療方針を検討することとした. 2011年1月から2020年12月までの期間21例を経験した. 21症例をドレナージ有8例(A群)とドレナージ無13例(B群)の2群に分け, 臨床経過, 手術成績などについて比較検討を行った. IAは20症例に施行している. 原則ドレナージを行う方針にしていたが, ドレーン挿入が困難な症例が半数あり, 高齢化に伴いドレーン管理が困難な症例もあり, 1例ではあるが合併症も認めた. 両...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:島根医学 2022-04, Vol.42 (1), p.43-48
Hauptverfasser: 若月俊郎, 安井千晴, 福本陽二, 本城総一郎, 久光和則, 梶谷真司, 河野菊弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 2011年より膿瘍形成虫垂炎に対してinterval appendectomy (IA)を導入し保存的治療を行ってきた. 今回ドレナージ, 抗菌薬の現状と効果を調べ, 今後の治療方針を検討することとした. 2011年1月から2020年12月までの期間21例を経験した. 21症例をドレナージ有8例(A群)とドレナージ無13例(B群)の2群に分け, 臨床経過, 手術成績などについて比較検討を行った. IAは20症例に施行している. 原則ドレナージを行う方針にしていたが, ドレーン挿入が困難な症例が半数あり, 高齢化に伴いドレーン管理が困難な症例もあり, 1例ではあるが合併症も認めた. 両群間で臨床経過, 手術成績おいて差を認めなかった. また抗菌薬のみで難渋しドレナージを追加した症例はわずか1例であった. 細菌培養ではBacteroides属が全例に認められ, 抗菌薬変更が42%に認められた. 今後はまず抗菌薬(TAZ/PIPCかMEPM)のみで治療を開始し, 難渋する症例に対してのみドレナージを行う方針にしたいと考える.
ISSN:0559-829X