当院小児死亡症例, 過去15年のまとめ
「要旨」 島根県立中央病院が関与した最近15年間の小児(15歳以下)死亡症例を分析し, 教訓的な症例を提示するとともに, 小児における防ぎえた死亡を考察した. 2006年から2020年までに当院での小児(15歳以下)死亡症例は76名であった. このうち, 新生児期から当院新生児病棟に入院を継続し死亡した42名を除いた34名について死因を検討した. 基礎疾患があった19名のうち, 3名は原疾患が関与した死亡, 16名はいわゆる重症心身障がい児と言える児で, 感染症による急性疾患で5名, ほかは自宅での急変, 誤嚥性肺炎などで亡くなった. 基礎疾患がなかった15名では, 急性疾患3名, 事故4名(...
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Veröffentlicht in: | 島根医学 2022-04, Vol.42 (1), p.15-22 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」 島根県立中央病院が関与した最近15年間の小児(15歳以下)死亡症例を分析し, 教訓的な症例を提示するとともに, 小児における防ぎえた死亡を考察した. 2006年から2020年までに当院での小児(15歳以下)死亡症例は76名であった. このうち, 新生児期から当院新生児病棟に入院を継続し死亡した42名を除いた34名について死因を検討した. 基礎疾患があった19名のうち, 3名は原疾患が関与した死亡, 16名はいわゆる重症心身障がい児と言える児で, 感染症による急性疾患で5名, ほかは自宅での急変, 誤嚥性肺炎などで亡くなった. 基礎疾患がなかった15名では, 急性疾患3名, 事故4名(溺水3名, 窒息1名), 虐待2名, 母による絞扼1名, 縊死1名, 解剖などでも原因が不明であった児4名であった. 小児死亡の悉皆的な検証制度であるチャイルド・デス・レビュー(CDR)を社会実装するために, 島根県においても着実に関係部署・関係者の認識を共有し各種体制を構築していく必要がある. |
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ISSN: | 0559-829X |