薬剤師数動向に基づく地域の薬剤師ニーズの検討

「要旨」 【目的】全国及び島根県における薬剤師数の動向を解析し, 薬剤師ニーズについて検討する. 【方法】1970年から2014年までの医師・歯科医師・薬剤師調査報告書, 医療施設調査・病院報告書, ならびに衛生行政報告書を用いて, 薬剤師ニーズに関わる情報を分析した. また, 島根県における薬剤師求人の状況については, 公共職業安定所の求人数を用いた. 【結果】島根県では, 全国と同様に, 1970年より2014年まで継続して薬剤師数の増加がみられた. 特に, 医療施設数が多い圏域での薬剤師数増加が著しかった. また, 医療施設薬剤師, 薬局薬剤師, 衛生行政等の業種別での解析では, 199...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:島根医学 2017-09, Vol.37 (3), p.181-188
Hauptverfasser: 佐野千晶, 布野慶人, 野島慶明, 中畑典子, 吉岡みち子, 谷口栄作
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 【目的】全国及び島根県における薬剤師数の動向を解析し, 薬剤師ニーズについて検討する. 【方法】1970年から2014年までの医師・歯科医師・薬剤師調査報告書, 医療施設調査・病院報告書, ならびに衛生行政報告書を用いて, 薬剤師ニーズに関わる情報を分析した. また, 島根県における薬剤師求人の状況については, 公共職業安定所の求人数を用いた. 【結果】島根県では, 全国と同様に, 1970年より2014年まで継続して薬剤師数の増加がみられた. 特に, 医療施設数が多い圏域での薬剤師数増加が著しかった. また, 医療施設薬剤師, 薬局薬剤師, 衛生行政等の業種別での解析では, 1992年以降の薬局薬剤師数の増加は顕著であった. 次に島根県の薬剤師ニーズについて求人数をみたところ, 2017年において薬局56件, 病院13件であった. 【考察】近年の薬剤師数の増加は, 地域医療構想における地域包括ケアでの薬局薬剤師ニーズの高まりや病院薬剤師の病棟業務拡大が関係しており, 短期的には更なる薬剤師増加が見込まれる. 今後は, 高齢化, 地域の病床減少, 在宅医療の強化, 多職種連携業務増加といった中長期的なニーズの変化を踏まえ, 地域偏在や施設特性に応じた薬剤師確保対策が必要と考えられた.
ISSN:0559-829X