島根県におけるオスラー病診療に関する現状と課題
「要旨」難治性鼻出血, 末梢血管拡張症, 内臓血管奇形を来す常染色体優性遺伝性疾患オスラー病について, 島根大学附属病院の病歴調査と附属病院を含む県内主要医療機関の医師290名へのアンケート調査により, 島根県内の診療実態を検討した. オスラー病患者5例の初発症状は小児期の鼻出血が多く, 診断年齢は30~40歳代, 診療科は多彩であった. 臨床経過では, 難治性鼻出血・消化管出血を呈する予後不良例, 診療拒否例, 複数科での治療例を認めた. アンケート調査では疾患認知度は回答の半数を超えたが, 診療経験を有する医師は少なく, 診療継続中の医師は2名のみだった. 県内推定患者数は87~139名で...
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Veröffentlicht in: | 島根医学 2015-12, Vol.35 (4), p.204-209 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」難治性鼻出血, 末梢血管拡張症, 内臓血管奇形を来す常染色体優性遺伝性疾患オスラー病について, 島根大学附属病院の病歴調査と附属病院を含む県内主要医療機関の医師290名へのアンケート調査により, 島根県内の診療実態を検討した. オスラー病患者5例の初発症状は小児期の鼻出血が多く, 診断年齢は30~40歳代, 診療科は多彩であった. 臨床経過では, 難治性鼻出血・消化管出血を呈する予後不良例, 診療拒否例, 複数科での治療例を認めた. アンケート調査では疾患認知度は回答の半数を超えたが, 診療経験を有する医師は少なく, 診療継続中の医師は2名のみだった. 県内推定患者数は87~139名で, 多くが未診断・未受診である現状が推測された. 小児期に重篤な症状で発症する例もあり, 早期診断と高リスク例に対する早期治療介入が必要である. 主な初診科である耳鼻咽喉科との連携と疾患全体を長期にマネージメントする疾患センターの創設が望まれる. |
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ISSN: | 0559-829X |