間葉系幹細胞の臨床応用とその効果
「要旨」間葉細胞は様々な臓器において実質細胞の隙間を埋め, 成熟細胞の生存や実質細胞中の幹細胞の未分化性を維持する役割を持つとされてきたが, 近年では支持機能にとどまらず免疫炎症メディエーターとしての役割が示唆され着目されている. また間葉細胞の起源である間葉系幹細胞は骨髄を始め様々な組織に存在し, それらが持つ遊走能と免疫調節能が多くの難治性疾患の細胞治療に有効であると期待されている. 本稿では, 間葉系幹細胞についてのこれまでの研究の背景, 組織再生を目指した基礎研究の実際, そして今後の再生医療への応用に向けて間葉系幹細胞研究が抱える問題点などについて概説する. 「はじめに」近年の幹細胞...
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Veröffentlicht in: | 島根医学 2015-09, Vol.35 (3), p.124-129 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」間葉細胞は様々な臓器において実質細胞の隙間を埋め, 成熟細胞の生存や実質細胞中の幹細胞の未分化性を維持する役割を持つとされてきたが, 近年では支持機能にとどまらず免疫炎症メディエーターとしての役割が示唆され着目されている. また間葉細胞の起源である間葉系幹細胞は骨髄を始め様々な組織に存在し, それらが持つ遊走能と免疫調節能が多くの難治性疾患の細胞治療に有効であると期待されている. 本稿では, 間葉系幹細胞についてのこれまでの研究の背景, 組織再生を目指した基礎研究の実際, そして今後の再生医療への応用に向けて間葉系幹細胞研究が抱える問題点などについて概説する. 「はじめに」近年の幹細胞生物学における急速な技術発展に伴い, これまで様々な難治性疾患に対して期待されていた組織再生による治療, すなわち再生医療が益々脚光を浴びるようになった. |
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ISSN: | 0559-829X |