1. 特発性器質化肺炎にて急性呼吸不全となり, ステロイドと免疫抑制剤併用にて改善を認めた症例
【症例】73歳男性. 【主訴】発熱, 呼吸苦【現病歴】2009年4月20日より発熱し, 島根県立中央病院総合診療科受診. 急性肺炎の診断で外来でのGRNXの内服加療にて反応乏しく, 呼吸状態の悪化を認めるため4月26日に同科入院. CTRX/CAM治療を開始するも肺浸潤影はさらに増悪. 抗生剤に反応しないこと, 両側びまん性の肺浸潤影を認めることより入院6日目に気管支肺胞洗浄/経気管支肺生検を施行した. 入院15日目に組織検査の結果から器質化肺炎の可能性が高いと判明し, 同日プレドニゾロン(以下PSL)30mg/day内服開始. その翌日の5月10日より酸素化不良を認めたためICU入室. Pa...
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Veröffentlicht in: | 島根医学 2010, Vol.30 (4), p.246-246 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【症例】73歳男性. 【主訴】発熱, 呼吸苦【現病歴】2009年4月20日より発熱し, 島根県立中央病院総合診療科受診. 急性肺炎の診断で外来でのGRNXの内服加療にて反応乏しく, 呼吸状態の悪化を認めるため4月26日に同科入院. CTRX/CAM治療を開始するも肺浸潤影はさらに増悪. 抗生剤に反応しないこと, 両側びまん性の肺浸潤影を認めることより入院6日目に気管支肺胞洗浄/経気管支肺生検を施行した. 入院15日目に組織検査の結果から器質化肺炎の可能性が高いと判明し, 同日プレドニゾロン(以下PSL)30mg/day内服開始. その翌日の5月10日より酸素化不良を認めたためICU入室. PaO2/FiO2の比は100程度と低く人工呼吸器管理となった. 5月10日よりmPSLパルスを開始し同時にシベレスタットNa300mg/日を1週間使用した. 5月17日よりmPSLパルスを再び行い, 改善乏しいため5月20日よりシクロフォスファミドを1日500mg投与のパルス療法も開始. 反応を見ながら3ヶ月で計4回のシクロフォスファミドパルスを併用し, 徐々に呼吸状態改善を認めた. 細菌性肺炎, 右気胸を合併するも回復し, 8月12日には人工呼吸器離脱, ICU入室から16週目の8月25日には一般病棟に転室となった. PSLを60mg/日から開始して漸減し, 現在入院から8ヶ月経過で12.5mg/日内服中. 酸素マスク0.5~2Lで歩行器歩行が可能にまで改善し, 自宅退院を目標としている. 【考察】組織検査から特発性器質化肺炎(COP)と診断された症例. COPは一般的にステロイド治療への反応は良いとされ, この症例は経過から別の疾患も示唆されたが, 確定診断には至らなかった. ステロイド治療への反応乏しく, 急速進行性の肺障害へと増悪したが, 免疫抑制療法併用で, 離床まで改善を認めた症例であった. |
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ISSN: | 0559-829X |