慢性期脳卒中後遺症への集中リハ療法の成果と保険診療上の課題

「要旨」 地域で生活している慢性期脳卒中後遺症者の機能が退行する場合, 廃用症候群として集中リハ対応すればよいという指摘がある. しかし, 懸命に機能維持の生活をしようとしていても痙縮・変形・嚥下増悪等による機能退行が生じ, 集中的なリハ医療再開の適応が生じる場合が往々にしてある. そこでH18年4月に出された疑義解釈(問38)を活用し集中リハ療法を平均58.9日行った58例の脳卒中後遺症について, 主に検討した. 56例(97.6%)の症例でなんらかの機能・能力の改善を得られ, 機能的自立度(FIM)利得は平均3.5であった. FIM不変例でも機能が向上するなど, 患者・家族はほぼ満足してい...

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Veröffentlicht in:島根医学 2010-06, Vol.30 (2), p.122-127
Hauptverfasser: 小野惠司, 木佐俊郎, 酒井康生, 三谷俊史, 石田徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「要旨」 地域で生活している慢性期脳卒中後遺症者の機能が退行する場合, 廃用症候群として集中リハ対応すればよいという指摘がある. しかし, 懸命に機能維持の生活をしようとしていても痙縮・変形・嚥下増悪等による機能退行が生じ, 集中的なリハ医療再開の適応が生じる場合が往々にしてある. そこでH18年4月に出された疑義解釈(問38)を活用し集中リハ療法を平均58.9日行った58例の脳卒中後遺症について, 主に検討した. 56例(97.6%)の症例でなんらかの機能・能力の改善を得られ, 機能的自立度(FIM)利得は平均3.5であった. FIM不変例でも機能が向上するなど, 患者・家族はほぼ満足していた. 在宅から入院した症例は全例が在宅に戻った. 脳卒中後遺症者の機能退行を「障害児・者リハ」のような特殊なリハ枠で拾い上げるのでなく, 「脳血管リハ」でのリハ再開が可能になる医療保険規定を望む. 「はじめに」 H18年度の診療報酬改定で「疾患別リハビリテーション」体系が導入され, 医療保険で行うリハビリテーション(以下リハと略す)診療は保険診療の運用上の複雑さを増してきている.
ISSN:0559-829X