3. 食道癌における腹臥位胸腔鏡下手術の経験
【はじめに】近年, 手術侵襲の軽減を目的に胸腔鏡下手術が施行されるようになってきたが側臥位での方法がほとんどであった. さらなる手術精度の向上をめざし始められた腹臥位胸腔鏡下手術を当施設でも導入し2例の経験をした. 【手術:胸部操作】適応はT3N1までで腹臥位で分離肺換気で全身麻酔が可能な症例. ポートはカメラポートが肩甲骨下角のレベルで第9肋間, 5mmのポートを第7肋間後腋窩線, 12mmのポートを第5肋間後腋窩線と第3肋間中腋窩線に留置. 術者, 助手, スコピストは患者の右側に位置し, 対側(患者左側)にモニターを配置. 縦隔胸膜および奇静脈弓の切離, 右上縦隔操作, 左反回神経周囲リ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 島根医学 2010, Vol.30 (1), p.58-58 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【はじめに】近年, 手術侵襲の軽減を目的に胸腔鏡下手術が施行されるようになってきたが側臥位での方法がほとんどであった. さらなる手術精度の向上をめざし始められた腹臥位胸腔鏡下手術を当施設でも導入し2例の経験をした. 【手術:胸部操作】適応はT3N1までで腹臥位で分離肺換気で全身麻酔が可能な症例. ポートはカメラポートが肩甲骨下角のレベルで第9肋間, 5mmのポートを第7肋間後腋窩線, 12mmのポートを第5肋間後腋窩線と第3肋間中腋窩線に留置. 術者, 助手, スコピストは患者の右側に位置し, 対側(患者左側)にモニターを配置. 縦隔胸膜および奇静脈弓の切離, 右上縦隔操作, 左反回神経周囲リンパ節および大動脈弓下リンパ節廓清, 中縦隔および下縦隔操作の順に施行. 【考察】利点 1)肺の圧排操作がほとんどない 2)血液等が前縦隔に流れ, 術野が比較的ドライに保たれる 3)肋間筋の切離が少ない 欠点 1)ポートの位置で操作性に困難をきたす 2)助手の展開の利用【結語】1)食道癌に腹臥位胸腔鏡下手術を導入した. 2)腹臥位は左側臥位に比べて術野の展開が良好であった. |
---|---|
ISSN: | 0559-829X |