2. 内頚動脈巨大動脈瘤コイル塞栓術後再増大した1例

動脈瘤コイル塞栓術後に動脈瘤が増大して, 鼻出血を来した海綿静脈洞部内頚動脈瘤を経験したので, 文献的考察を加えて, 報告する. 症例は, 52歳, 女性. H9年3月, 急速な右眼瞼下垂が出現, 入院となった. 入院時, 右動眼神経麻痺を認めるのみであり, Angioにて, 右海綿静脈洞部内頚動脈瘤(C4, 18mm)と診断した. 動脈瘤塞栓術を行い, 一部body fillingにて終了した. H11年のAngioでは, coil compactionを認めたが, 動脈瘤増大はなかった. H20. 3月, 時々鼻出血が起こるようになり, 耳鼻科での鼻腔ファイバーで自然孔からの拍動性出血を認...

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Veröffentlicht in:島根医学 2008, Vol.28 (4), p.358-358
Hauptverfasser: 矢原快太, 中岡光生, 並河慎也, 野坂亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:動脈瘤コイル塞栓術後に動脈瘤が増大して, 鼻出血を来した海綿静脈洞部内頚動脈瘤を経験したので, 文献的考察を加えて, 報告する. 症例は, 52歳, 女性. H9年3月, 急速な右眼瞼下垂が出現, 入院となった. 入院時, 右動眼神経麻痺を認めるのみであり, Angioにて, 右海綿静脈洞部内頚動脈瘤(C4, 18mm)と診断した. 動脈瘤塞栓術を行い, 一部body fillingにて終了した. H11年のAngioでは, coil compactionを認めたが, 動脈瘤増大はなかった. H20. 3月, 時々鼻出血が起こるようになり, 耳鼻科での鼻腔ファイバーで自然孔からの拍動性出血を認め, 動脈瘤からの出血が疑われ, 入院となった. 入院時, 少量の鼻出血, 右第3, 4, 6神経麻痺を認めた. Angioにて, 動脈瘤は増大していた(34×29×22mm). CT, MRIでは, 動脈瘤は蝶形骨洞に突出し, コイルのある部分を除き, 血栓はなかった. Balloon occlusion testでは, 10分間の閉塞にて症状出現なく, collateral flow良好, SPECTにてr-CBF低下なし, stump pressureは120/56(mean:81)から53/33(42)に低下した. 動脈瘤に対して, 右内頚動脈結紮術+浅側頭動脈―中大脳動脈吻合術を行った. 術直後より, 鼻出血は止まった. Angioでも動脈瘤の造影は認めなかった. ethmoidal a.-ophthalmic a., A.com a., P.com a.を介して右内頚動脈の描出は良好であったが, STAは閉塞していた. SPECTで右大脳半球r-CBFの低下はなかった. 新たな症状の出現なく, 自宅退院となった.
ISSN:0559-829X