2. 「気虚」「気うつ」について:多施設臨床研究

当研究グループで施行中の「気虚・気うつ臨床試験」を紹介する. 「気虚」患者に補気薬であるツムラ補中益気湯エキス顆粒を「気うつ」患者に理気薬であるツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒(医療用)をそれぞれ投与し, 安全性と有用性を検討する. 「気虚」・「気うつ」とうつ状態の相関について, 気虚スコア(寺澤), 気うつスコア(寺澤), 自己記入式抑うつスケール(SDS), やる気スコアを投与前, 投与1ヶ月または2ヶ月後に評価し, 100例を目標に検討する. SDS, やる気スコアは心理的側面が主な質問内容であるのに対し, 気虚・気うつスコアは身体的症状に対する質問が主である. 虚証の気虚の強い76歳女性に補...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:島根医学 2008, Vol.28 (1), p.69-70
Hauptverfasser: 長井篤, 下手公一, 児玉啓介, 堀江卓史, 松本祐二, 松井龍吉, 小林祥泰, 能美強
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:当研究グループで施行中の「気虚・気うつ臨床試験」を紹介する. 「気虚」患者に補気薬であるツムラ補中益気湯エキス顆粒を「気うつ」患者に理気薬であるツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒(医療用)をそれぞれ投与し, 安全性と有用性を検討する. 「気虚」・「気うつ」とうつ状態の相関について, 気虚スコア(寺澤), 気うつスコア(寺澤), 自己記入式抑うつスケール(SDS), やる気スコアを投与前, 投与1ヶ月または2ヶ月後に評価し, 100例を目標に検討する. SDS, やる気スコアは心理的側面が主な質問内容であるのに対し, 気虚・気うつスコアは身体的症状に対する質問が主である. 虚証の気虚の強い76歳女性に補中益気湯を7.5g/日量で2ヶ月間処方した. SDS 45→35(改善), やる気6→8(増悪), 気虚スコア90→28(改善), 気うつスコア26→18(改善)点と推移し, 気虚は著明に改善した. 気虚・気うつスコアは, うつや意欲低下を鋭敏に把握でき, 投与薬剤の効果を客観的に評価できる可能性がある. この研究を通して, 気虚・気うつスコアの客観性, 西洋的スコアとの比較, 投与薬剤の評価をおこなう予定である.
ISSN:0559-829X