介護老人保健施設「寿生苑」入所者の最近3年間のパルスオキシメトリの臨床経験

最近3年間のパルスオキシメトリSpO2を次の5項目について結果を報告する. 1)SpO2の頻回測定. 入所者の65.5%の人は1日1回, SpO2の測定を受けたことになる. 2)室内気吸入で呼吸正常群(95%≦SpO2≦99%)では誤嚥性肺炎発症者数は0であった. 3)在宅酸素療法群の測定回数. 4)SpO2の3器種の50日間の各々の測定値平均は, 器種間で1~2%の差が認められた. 5)島根県立中央病院救命救急センターに搬送された患者100症例のSpO2と動脈血酸素飽和度SaO2の間には, 統計学的に正の相関が認められた. パルスオキシメトリは非侵襲で, オンラインで, リアルタイムに動脈血...

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Veröffentlicht in:島根医学 2007-09, Vol.27 (3), p.212-221
Hauptverfasser: 小林真佐夫, 木佐高志, 三上尚, 土谷治久, 松原康博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:最近3年間のパルスオキシメトリSpO2を次の5項目について結果を報告する. 1)SpO2の頻回測定. 入所者の65.5%の人は1日1回, SpO2の測定を受けたことになる. 2)室内気吸入で呼吸正常群(95%≦SpO2≦99%)では誤嚥性肺炎発症者数は0であった. 3)在宅酸素療法群の測定回数. 4)SpO2の3器種の50日間の各々の測定値平均は, 器種間で1~2%の差が認められた. 5)島根県立中央病院救命救急センターに搬送された患者100症例のSpO2と動脈血酸素飽和度SaO2の間には, 統計学的に正の相関が認められた. パルスオキシメトリは非侵襲で, オンラインで, リアルタイムに動脈血酸素飽和度を測定できるメリットを有しているが, その精度については原理的に弱点がある. 本法は単独で使用するのではなく, 臨床所見, 他の検査データなども併せて総合的に判断し, 使用するならば, 臨床的に極めて有用である. はじめに 島根医学Vol.27 No.1 2007に, われわれは“介護老人保健施設「寿生苑」入所者の前期2年間と後期2年間の誤嚥性肺炎の統計学的検討, 及びその予防戦略”1)を発表した. 前期と後期の誤嚥性肺炎発症者数の間には, 危険率5%で統計学的有意差をもって, 後期に減少が認められた. かつ, 両群間の種々の背景因子には統計学的有意差は認められなかった.
ISSN:0559-829X