非整形外科的疾患に起因する腰痛症例の検討
今回, 当院へ腰痛症にて来院した約8,000例の患者の中でその原因が明らかに非整形外科的疾患であった160例を臨床的に検討した. 160例の腰痛の原因として132例(82.5%)が内臓疾患でありその中でも悪性疾患が31例であった. いずれも進行癌であり, 特に膵癌が7例を占めた. また心臓血管外科疾患が12例であり, この中でも解離性胸部大動脈瘤, あるいは腹部大動脈瘤切迫破裂例は超急性期腰痛症の原因として重要かつその診断には特に注意を要する. 一方, 良性疾患では急性膵炎, 慢性膵炎急性増悪症例が認められこれらは多臓器障害をきたし易く血管外科疾患同様その診断は確実性が要求される. 女性におい...
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Veröffentlicht in: | 島根医学 2007-03, Vol.27 (1), p.38-44 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回, 当院へ腰痛症にて来院した約8,000例の患者の中でその原因が明らかに非整形外科的疾患であった160例を臨床的に検討した. 160例の腰痛の原因として132例(82.5%)が内臓疾患でありその中でも悪性疾患が31例であった. いずれも進行癌であり, 特に膵癌が7例を占めた. また心臓血管外科疾患が12例であり, この中でも解離性胸部大動脈瘤, あるいは腹部大動脈瘤切迫破裂例は超急性期腰痛症の原因として重要かつその診断には特に注意を要する. 一方, 良性疾患では急性膵炎, 慢性膵炎急性増悪症例が認められこれらは多臓器障害をきたし易く血管外科疾患同様その診断は確実性が要求される. 女性においては子宮筋腫, 子宮後屈症, 卵巣嚢腫などが主たる原因の腰痛症が認められた. 日常臨床で腰痛症は高頻度に認められる疾患であるが, 他疾患との除外診断を正確かつ確実に行う必要がある. |
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ISSN: | 0559-829X |