成長混合モデリングとその分析事例: 岡林論文・高比良論文・山形論文に関連して
「はじめに」 縦断データを用いて因果関係を推測する多数のモデルが提案されている. そのなかから, 岡林論文と高比良論文は交差遅延効果モデル(多変量回帰分析)と同時効果モデルに着目し, 現実のデータを用いてモデルの利点を論じた. さらに高比良論文は, 横断データでも妥当な道具的変数を探すことにより, 同時効果モデルを適用して2変数間の因果関係を推測できると述べた. 遅延効果モデルと同時効果モデルは, 基本的には反復測定された2つの変数を用いて2変数間の因果関係を推測する. 一方, 潜在成長曲線モデリング (latent growth curve modeling;以下, LGCM)は, 特定の変...
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Veröffentlicht in: | パーソナリティ研究 2006, Vol.15(1), pp.129-134 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 縦断データを用いて因果関係を推測する多数のモデルが提案されている. そのなかから, 岡林論文と高比良論文は交差遅延効果モデル(多変量回帰分析)と同時効果モデルに着目し, 現実のデータを用いてモデルの利点を論じた. さらに高比良論文は, 横断データでも妥当な道具的変数を探すことにより, 同時効果モデルを適用して2変数間の因果関係を推測できると述べた. 遅延効果モデルと同時効果モデルは, 基本的には反復測定された2つの変数を用いて2変数間の因果関係を推測する. 一方, 潜在成長曲線モデリング (latent growth curve modeling;以下, LGCM)は, 特定の変数を反復測定して集団と個人の成長型(変化の形状)を推測したり, 多母集団の間で成長型の異同を検討する. また, 岡林論文で説明されたように, 成長型を予測する外生変数を探索し, その説明力の大きさを推測する. ここ数年の間に構造方程式モデリング(以下, SEM)が急速に普及したが, そのSEMの枠組み内でLGCMを表現できる(例えば, Bollen & Curran, 2006;Duncan, Duncan, Strycket Li, & Alpert, 1999). 今後はLGCMが利用される機会も増えていくものと期待される. |
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ISSN: | 1348-8406 1349-6174 |
DOI: | 10.2132/personality.15.129 |