患者アドボカシーと病院図書室-その役割と連携の可能性

「I. 患者相談窓口」昨今, 新聞やテレビで医療ミスが報道されない日はないほど, 医療における安全管理は大きな社会問題となっている. 医療訴訟の件数は2000年度には638件と過去最高を記録した. 1970年度の新受件数が102件であったことと比較すると, 過去30年間で単年度あたりの提訴数は6倍以上に増加したことになる. 中でも, 1999年1月に起こった横浜市立大学医学部附属病院の患者取り違え事件は, 社会に大きな波紋を呼んだ. この事件は, 心臓の手術予定患者(74歳)と肺の手術予定患者(84歳)が手術室に運ばれた際に取り違えられ, それぞれ別の手術が行われたというものである. 高度な治...

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Veröffentlicht in:病院図書館 2003-11, Vol.23 (4), p.166-170
1. Verfasser: 和田ちひろ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 患者相談窓口」昨今, 新聞やテレビで医療ミスが報道されない日はないほど, 医療における安全管理は大きな社会問題となっている. 医療訴訟の件数は2000年度には638件と過去最高を記録した. 1970年度の新受件数が102件であったことと比較すると, 過去30年間で単年度あたりの提訴数は6倍以上に増加したことになる. 中でも, 1999年1月に起こった横浜市立大学医学部附属病院の患者取り違え事件は, 社会に大きな波紋を呼んだ. この事件は, 心臓の手術予定患者(74歳)と肺の手術予定患者(84歳)が手術室に運ばれた際に取り違えられ, それぞれ別の手術が行われたというものである. 高度な治療が行われる大学病院において, あってはならない単純なミスであり, 医療に対する国民の信頼が大きく揺らいだ事件であった. 全国で続発する医療事故に対応し, 再発防止策を検討するため, 2001年5月に厚生労働省医政局内に「医療安全対策検討会議」が設置され, 翌年4月には「医療安全推進総合対策」が取りまとめられた1). その中に, 国として当面取り組むべき課題の一つに「患者の苦情や相談等に対応するための体制の整備」が挙げられている.
ISSN:1345-6857