ラット両側総頸動脈永久結紮モデルの学習, 記憶障害における扁桃体の関与
「要旨」 ラットの両側総頸動脈永久結紮モデルは, 脳低灌流をきたす実験モデルであり, 認識異常を伴い, アルツハイマー病のモデルともされている. このモデルに関しては, 海馬や大脳皮質, 白質に病理学的な変化が報告されており, また代謝異常や, 視覚系の障害も知られている. 行動に関しては, 空間認知の異常が報告されており, 海馬の障害を示唆する. しかし, これまでに扁桃体の関与は報告されていない. 最近, 海馬と扁桃体が相互に影響し合う密接な関連が注目されており, このモデルでも, 扁桃体の障害が起きているのではないかと考えた. それで, このモデルに関する行動上の異常と扁桃体の関与を調べ...
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Veröffentlicht in: | 富山大学医学会誌(2011年から) 2013-12, Vol.24 (1), p.6-10 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」 ラットの両側総頸動脈永久結紮モデルは, 脳低灌流をきたす実験モデルであり, 認識異常を伴い, アルツハイマー病のモデルともされている. このモデルに関しては, 海馬や大脳皮質, 白質に病理学的な変化が報告されており, また代謝異常や, 視覚系の障害も知られている. 行動に関しては, 空間認知の異常が報告されており, 海馬の障害を示唆する. しかし, これまでに扁桃体の関与は報告されていない. 最近, 海馬と扁桃体が相互に影響し合う密接な関連が注目されており, このモデルでも, 扁桃体の障害が起きているのではないかと考えた. それで, このモデルに関する行動上の異常と扁桃体の関与を調べる目的で, 水迷路, 驚愕実験, プレパルス抑制の3種類の実験手法を適用した. その結果, 海馬の障害を示唆する水迷路の異常と同時に, 扁桃体の障害を示唆する驚愕実験の異常も見られた. 結論として, 本脳低灌流モデルにおいても, 海馬と扁桃体が相互に影響し合っている可能性が示された. |
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ISSN: | 1883-2067 |