1. 重症妊娠悪阻に対するNSTと漢方薬治療の取り組み
[緒言]妊娠悪阻は, 時として脱水に陥り栄養・代謝障害をきたし, 入院が必要になる. 栄養管理のためにNSTに依頼される場合もある. 当院のNSTには和漢診療科が参加しており, 漢方治療の併用も提案してきた. そこで, 当院における重症妊娠悪阻に対するNSTと和漢診療科の取り組みを報告する. [対象]NSTと和漢診療科に依頼された重症妊娠悪阻患者は3人だった. 症例1:32才, 1妊1産. 妊娠第6週に悪阻のために入院し, 第10週にNSTに紹介. 体重減少は停止し, 主観的包括的栄養評価(SGA)も6点以下で推移したが, 摂食量の増加が鈍く, 第12週から漢方薬を開始して第14週に悪阻が消失...
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Veröffentlicht in: | 富山大学医学会誌 2006, Vol.17 (1), p.58-58 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [緒言]妊娠悪阻は, 時として脱水に陥り栄養・代謝障害をきたし, 入院が必要になる. 栄養管理のためにNSTに依頼される場合もある. 当院のNSTには和漢診療科が参加しており, 漢方治療の併用も提案してきた. そこで, 当院における重症妊娠悪阻に対するNSTと和漢診療科の取り組みを報告する. [対象]NSTと和漢診療科に依頼された重症妊娠悪阻患者は3人だった. 症例1:32才, 1妊1産. 妊娠第6週に悪阻のために入院し, 第10週にNSTに紹介. 体重減少は停止し, 主観的包括的栄養評価(SGA)も6点以下で推移したが, 摂食量の増加が鈍く, 第12週から漢方薬を開始して第14週に悪阻が消失して退院した. 症例2:36才, 6妊1産. 妊娠第4週に抗凝固療法の目的に入院した後に悪阻を併発. 第7週にNSTに紹介され, 第8週から漢方治療を開始した. SGAは2から7点以上に悪化したが体重は漸増し, 第14週に退院した. 症例3:25才, 3妊0産. 妊娠第6週に抗凝固療法のために入院. 悪阻を併発し, 第9週にNSTに紹介され, 漢方薬を開始した. 体重や血清アルブミンなどは漸減したがSGAは6点以下で推移し, 第16週に退院した. なお, 食事は全例で個別に対応し, 主食の変更の他に可能な範囲で副食の変更などを行った. また, 点滴にはアミノ酸含有製剤を勧めた. [結語]重症妊娠悪阻患者3例の栄養評価を行った. 患者への漢方薬の受け入れは良好だった. 回診と提言で栄養状態の, 漢方治療で悪阻の改善を図り, NSTと漢方治療が双補的に作用できると考える. 今後もNSTと漢方治療が協力して診療レベルの向上に努めていきたい. |
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ISSN: | 1349-676X |