大学生のメンタルヘルス―6年間の新入生のMMPIの動向

「要旨」当大学では精神的健康診断という目的で, 1998年より新入生全員にミネソタ多面人格目録(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:MMPI)を実施してきた. 本研究では新入生のMMPIプロフィールの全般的な傾向を明らかにすることを目的とした. 対象は1998年から2003年の富山医科薬科大学新入生1619名である. 入学後のオリエンテーション時に集団でMMPIを施行した. MMPIの基礎尺度においてT得点が70を越えた延べ頻度とその割合を調べたところ, 最も低い1.9%(軽躁性尺度)から最も高い8.4%(抑うつ性尺度)まであり, どの尺度に...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:富山大学医学会誌 2006, Vol.17 (1), p.9-12
Hauptverfasser: 松井三枝, 田中邦子, 加藤奏, 倉知正佳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」当大学では精神的健康診断という目的で, 1998年より新入生全員にミネソタ多面人格目録(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:MMPI)を実施してきた. 本研究では新入生のMMPIプロフィールの全般的な傾向を明らかにすることを目的とした. 対象は1998年から2003年の富山医科薬科大学新入生1619名である. 入学後のオリエンテーション時に集団でMMPIを施行した. MMPIの基礎尺度においてT得点が70を越えた延べ頻度とその割合を調べたところ, 最も低い1.9%(軽躁性尺度)から最も高い8.4%(抑うつ性尺度)まであり, どの尺度においても高点者が認められた. 1600名の学生のうち3%が統合失調症圏患者でよくみられるMMPIのコードタイプを示した. MMPIの受検は, 学生の自己内省を促し, また, フィードバックが早期発見・早期対応や, 各種相談機関の利用への橋渡しとなる可能性があると思われる.
ISSN:1349-676X