問題立脚型学習を組み込んだ講義の実施とその教育評価

「和文抄録」目的:問題立脚型学習(PBL)の教育効果は高いが, 教員数の確保や設備面での費用の増大が問題となる. そこで, 担当教員1名で実施可能な簡易な問題立脚型学習を実施し, その教育評価を行うことを目的とした. 方法:対象は医学科, 看護学科, 薬科学科の1年生, 計89人. 全学科共通のカリキュラムである『医療学入門』において, PBLを組み込んだ講義を2回実施した. 講義に先立って, 事前に電話医療相談とソーシャルワーク活動に関する事例を計5例配布し予習を促した. 当日は担当教員による分野の紹介や事例の概略説明30分, 小グループによる事例検討40分, 全体討議20分の計90分の講義...

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Veröffentlicht in:富山医科薬科大学医学会誌 2004-03, Vol.15 (1), p.55-61
Hauptverfasser: 関根道和, 辻本好子, 梅崎薫, 濱西島子, 鏡森定信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「和文抄録」目的:問題立脚型学習(PBL)の教育効果は高いが, 教員数の確保や設備面での費用の増大が問題となる. そこで, 担当教員1名で実施可能な簡易な問題立脚型学習を実施し, その教育評価を行うことを目的とした. 方法:対象は医学科, 看護学科, 薬科学科の1年生, 計89人. 全学科共通のカリキュラムである『医療学入門』において, PBLを組み込んだ講義を2回実施した. 講義に先立って, 事前に電話医療相談とソーシャルワーク活動に関する事例を計5例配布し予習を促した. 当日は担当教員による分野の紹介や事例の概略説明30分, 小グループによる事例検討40分, 全体討議20分の計90分の講義を行った. 32項目からなる質問票により, 従来の講義による学習方法(LBL)とPBLを6段階(1. 全くそう思わない~6. 全くそう思う)の評価尺度で評価した. Wilcoxonの符号付順位検定を用いて両学習方法の教育効果の差を評価した. 両側検定で5%未満を有意とした. 結果:講義に対する準備などの学習行動面については, PBLではLBLに比較して, 図書館を利用する, インターネットを利用する, 準備に時間をかける, において有意に高値であった. 内容の理解度や技術の習得に関しては, PBLではLBLと比較して, 理解に役立つ, 不明な点が明確になる, 疑問・質問がわくの項目で有意に高値であった. 講義に対する満足度では, PBLはLBLと比較して満足度が高い, 印象に残る, 刺激的であるの項目で有意であった. 結論:PBLはLBLと比較して, 学習行動の促進, 理解度, 満足度において優れていることが示唆された. 費用対効果の高い教育方法として今後詳細な検討が望まれる.
ISSN:1349-676X