心疾患児をもつ母親への支援に向けて

近年の小児循環器における, 内科的治療および外科的治療は飛躍的に進歩し, 従来は生存不可能であった複雑心奇形児であっても救命できるようになった. 中程度以上の重症度であっても心内修復術を終え合併症がなければ, 心疾患児は健常児に近い生活を獲得するに至っている. それに伴って, 児の成長発達の過程において, 医療面だけでなく, 対人関係・学校生活などの社会生活面, 疾患の受容などの心理面等において多くの困難や問題が生じるようになった. さらに, 心疾患児をもつ母親や家族は, 心臓が生命に直結する臓器であり, また, 治療に手術を伴うことや検査・内科的治療のために入退院を繰り返すことが多いことから...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:富山医科薬科大学医学会誌 2000-03, Vol.13 (1), p.19-22
1. Verfasser: 広瀬幸美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年の小児循環器における, 内科的治療および外科的治療は飛躍的に進歩し, 従来は生存不可能であった複雑心奇形児であっても救命できるようになった. 中程度以上の重症度であっても心内修復術を終え合併症がなければ, 心疾患児は健常児に近い生活を獲得するに至っている. それに伴って, 児の成長発達の過程において, 医療面だけでなく, 対人関係・学校生活などの社会生活面, 疾患の受容などの心理面等において多くの困難や問題が生じるようになった. さらに, 心疾患児をもつ母親や家族は, 心臓が生命に直結する臓器であり, また, 治療に手術を伴うことや検査・内科的治療のために入退院を繰り返すことが多いことから, 児の療育過程において様々な問題を抱えていると推測される. 先天性心疾患児の療育にあたってはその時期の病状や治療状況だけでなく, 子どものライフステージの特徴を捉え, 小児期全般を見通した包括的な支援が必要と考える.
ISSN:1349-676X