重度のBPSDで精神科救急入院病棟に入院した認知症患者への看護実践

【要旨】本研究は, 精神科救急入院病棟において看護師が認知症患者に対してどのような看護を実践しているのかを明らかにすることを目的に行った. 4つの公立病院の精神科救急入院病棟において認知症看護を行っている看護師10名を対象として半構成的インタビューを実施し質的帰納的に分析した. その結果, 認知症患者に対して精神科救急入院病棟の看護師は【日常的な生活を感じる環境を意図的に設ける】, 【認知症患者と精神疾患患者, どちらの患者も守る】, 【家族が気持ちを整理し退院後の生活が整えられるよう支援する】という看護を実践していた. 精神科救急入院病棟での認知症看護では, 精神疾患患者との距離をとったり,...

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Veröffentlicht in:島根大学医学部紀要 2016-03, Vol.39, p.1-8
Hauptverfasser: 日野雅洋, 原祥子, 小野光美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【要旨】本研究は, 精神科救急入院病棟において看護師が認知症患者に対してどのような看護を実践しているのかを明らかにすることを目的に行った. 4つの公立病院の精神科救急入院病棟において認知症看護を行っている看護師10名を対象として半構成的インタビューを実施し質的帰納的に分析した. その結果, 認知症患者に対して精神科救急入院病棟の看護師は【日常的な生活を感じる環境を意図的に設ける】, 【認知症患者と精神疾患患者, どちらの患者も守る】, 【家族が気持ちを整理し退院後の生活が整えられるよう支援する】という看護を実践していた. 精神科救急入院病棟での認知症看護では, 精神疾患患者との距離をとったり, 症状の改善した精神疾患患者に認知症患者と交流してもらうこと, 医師に隔離の解除に向けた働きかけを行うことが必要になる. 家族には介護の中で抱く疲労感などの体験をもっているかもしれないことを心に留めかかわる必要性が示唆された.
ISSN:1880-084X