2,2',3,4',5',6-六塩素化ビフェニル (CB149) のラット, ハムスター, モルモットおよびヒトにおけるin vitro代謝の比較研究

「はじめに」Polychlorinated biphenyls(PCBs)は, カネミ油症の原因物質であるとともに, 世界的環境汚染物質としても知られているが, 脂溶性が極めて高いことから, ヒトの血液, 脂肪組織および肝臓などから, 高濃度で検出される. PCB異性体の中でも, 置換塩素数が6個以上で, 2,4,5-三塩素置換ベンゼンあるいは2,3,4,5-四塩素置換ベンゼンを有するもの, すなわち2,2',4,4',5,5'-hexachlorobiphenyl(hexaCB)(CB153), 2,2',3,4,4',5'-hex...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2023-03, Vol.114 (1), p.40-50
Hauptverfasser: 太田千穂, 原口浩一, 加藤善久, 藤井由希子, 木村治, 古賀信幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」Polychlorinated biphenyls(PCBs)は, カネミ油症の原因物質であるとともに, 世界的環境汚染物質としても知られているが, 脂溶性が極めて高いことから, ヒトの血液, 脂肪組織および肝臓などから, 高濃度で検出される. PCB異性体の中でも, 置換塩素数が6個以上で, 2,4,5-三塩素置換ベンゼンあるいは2,3,4,5-四塩素置換ベンゼンを有するもの, すなわち2,2',4,4',5,5'-hexachlorobiphenyl(hexaCB)(CB153), 2,2',3,4,4',5'-hexaCB(CB138), 2,2',3,4,4',5,5'-heptachlorobiphenyl(heptaCB)(CB180), 2,2',3,3',4,4',5-heptaCB(CB170)および2,3,3',4,4',5-hexaCB(CB156)などは, ほとんど代謝されないため, ヒト血液中で特に高濃度で検出されている. Todakaらは, 日本人の健常者と油症患者の血中PCB異性体濃度を調べ, 日本人健常者でも上記と全く同様のPCB異性体が検出されること, さらには油症患者では健常者の3~4倍多く残留していることを報告した.
ISSN:0016-254X