ダイオキシン低用量曝露母体の肝薬物代謝酵素活性に対するシークワーサー由来ポリメトキシフラボノイド : ノビレチンのin vitro阻害効果

「はじめに」1968年, 西日本一帯に発生した奇病, 油症では, 皮膚症状や脂質代謝異常を始めとする多岐にわたる障害が発生し, 発生後53年以上経過した現在もなお, 多くの患者が苦しんでいる. 油症原因物質は, ライスオイルの加熱脱臭時の熱媒体として用いられたpolychlorinated biphenyl(PCB)およびその加熱により生じた非意図的生成物であるダイオキシン類であると考えられている. ダイオキシン類は多様な毒性を有する環境汚染物質でもあり, 現在の我が国ではその80~90%が一般ごみ焼却施設での燃焼によって非意図的に発生している. それらダイオキシン類の中でも2,3,7,8-t...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2021-06, Vol.112 (2), p.136-147
Hauptverfasser: 池田佳乃子, 佐野宏江, 宮内優, 太田千穂, 古賀信幸, 田中嘉孝, 石井祐次
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」1968年, 西日本一帯に発生した奇病, 油症では, 皮膚症状や脂質代謝異常を始めとする多岐にわたる障害が発生し, 発生後53年以上経過した現在もなお, 多くの患者が苦しんでいる. 油症原因物質は, ライスオイルの加熱脱臭時の熱媒体として用いられたpolychlorinated biphenyl(PCB)およびその加熱により生じた非意図的生成物であるダイオキシン類であると考えられている. ダイオキシン類は多様な毒性を有する環境汚染物質でもあり, 現在の我が国ではその80~90%が一般ごみ焼却施設での燃焼によって非意図的に発生している. それらダイオキシン類の中でも2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)は最強毒性を有し, 極めて微量で皮膚障害, 生殖障害, 肝障害, がん, 奇形などの原因となることが知られている.
ISSN:0016-254X