小児難治性疾患に対する再生医療を用いた新規治療の開発 - 主に脱落乳歯幹細胞に着目して

「はじめに」小児外科領域は日本小児外科学会発足以来50年余りで大きな進化を遂げてきた. しかし現在の技術を駆使しても救命や長期にわたるQOLの確保が困難な疾患が存在する. 最近これらの疾患は厚労科研の難治性疾患研究班によりガイドラインや診断基準や疾患概要が作成され, その結果, 難病や小慢に指定され医療費の補助が得られるようになってきた. 次は新規治療の開発である. 我々は脱落乳歯歯髄幹細胞(SHED)を中心に再生医療を用いた新規治療を開発してきたので解説する. 治療のターゲットは恒常的に腸管蠕動不全をきたすヒルシュスプルング病類縁疾患のHypoganglionosis, 肝移植でしか救命でき...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2020-09, Vol.111 (3), p.113-123
Hauptverfasser: 田口智章, 南レイラ, 川尻望, 森沙耶香, 吉丸耕一朗, 高橋良彰, 山座孝義, 水田祥代
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」小児外科領域は日本小児外科学会発足以来50年余りで大きな進化を遂げてきた. しかし現在の技術を駆使しても救命や長期にわたるQOLの確保が困難な疾患が存在する. 最近これらの疾患は厚労科研の難治性疾患研究班によりガイドラインや診断基準や疾患概要が作成され, その結果, 難病や小慢に指定され医療費の補助が得られるようになってきた. 次は新規治療の開発である. 我々は脱落乳歯歯髄幹細胞(SHED)を中心に再生医療を用いた新規治療を開発してきたので解説する. 治療のターゲットは恒常的に腸管蠕動不全をきたすヒルシュスプルング病類縁疾患のHypoganglionosis, 肝移植でしか救命できない先天性代謝疾患や小児肝疾患, さらの欠損孔の大きな重症の先天性横隔膜ヘルニアである.
ISSN:0016-254X