2014-2016年度油症検診における血液中ポリ塩化クアテルフェニルの分析
「はじめに」ポリ塩化クアテルフェニル(PCQ)は油症患者が摂取したライスオイル中に高濃度に検出される化合物であり, ポリ塩化ビフェニル(PCB)が加熱媒体として使用される間に生成したと考えられている. PCQは魚からごく微量検出されることが報告されているが, 健常者の血液ではほとんど検出されていない(平均で0.02ppb未満). 一方で, 油症患者の血液では明らかに高濃度のPCQが検出されている. これらの知見から, 1981年に血液中PCQ濃度が油症診断基準に追加された. PCQは, 血液中濃度が0.1ppb以上の場合は「異常に高い濃度」, 0.03-0.09ppbが「境界領域濃度」, 0....
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Veröffentlicht in: | 福岡医学雑誌 2017-03, Vol.108 (3), p.94-101 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」ポリ塩化クアテルフェニル(PCQ)は油症患者が摂取したライスオイル中に高濃度に検出される化合物であり, ポリ塩化ビフェニル(PCB)が加熱媒体として使用される間に生成したと考えられている. PCQは魚からごく微量検出されることが報告されているが, 健常者の血液ではほとんど検出されていない(平均で0.02ppb未満). 一方で, 油症患者の血液では明らかに高濃度のPCQが検出されている. これらの知見から, 1981年に血液中PCQ濃度が油症診断基準に追加された. PCQは, 血液中濃度が0.1ppb以上の場合は「異常に高い濃度」, 0.03-0.09ppbが「境界領域濃度」, 0.02ppb以下が「通常見られる濃度」とそれぞれ区分されている. PCQはPCBが二量体化した構造をしており, 結合部位の違いにより6種類の基本骨格がある. さらに, 置換する塩素の数や位置の違いにより数十万という異性体が存在することが知られており, 個別に定量することは不可能である. |
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ISSN: | 0016-254X |