慢性腎臓病の疫学および臨床研究

「はじめに」末期腎不全による透析患者は世界的に増加しており, 医療経済上の大きな問題となっている. 最近の報告によると2010年における世界の慢性透析患者数は200万人を超え, 2030年にはその数は2倍以上に達すると推計されている. また, わが国の慢性透析患者数も年々増加の一途をたどっており, 日本透析医学会統計調査委員会の集計によると, 2011年末に初めて30万人を超え, 2013年末には31万人を超えた. 腎疾患の末期腎不全への進展を阻止するためには, その予備軍である慢性腎臓病(Chronic kidney disease:CKD)の早期発見とその管理の重要性が広く認識されつつある...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2016-08, Vol.107 (8), p.141-147
1. Verfasser: 二宮利治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」末期腎不全による透析患者は世界的に増加しており, 医療経済上の大きな問題となっている. 最近の報告によると2010年における世界の慢性透析患者数は200万人を超え, 2030年にはその数は2倍以上に達すると推計されている. また, わが国の慢性透析患者数も年々増加の一途をたどっており, 日本透析医学会統計調査委員会の集計によると, 2011年末に初めて30万人を超え, 2013年末には31万人を超えた. 腎疾患の末期腎不全への進展を阻止するためには, その予備軍である慢性腎臓病(Chronic kidney disease:CKD)の早期発見とその管理の重要性が広く認識されつつある. CKDは, 3ヶ月以上にわたり蛋白尿などの形態学的あるいは器質的な腎障害が持続しているか, 糸球体濾過値(glomerular filtration rate:GFR)が60ml/分/1.73m2未満に低下している状態と定義されている.
ISSN:0016-254X