遅発性に発症した外傷性腹壁ヘルニアに対し腹腔鏡下に修復術を施行した1例

「はじめに」 外傷性腹壁ヘルニアは強力な外力により腹壁が損傷された時に, 皮膚・皮下組織の断裂や損傷を伴わずに皮膚の連続性が保たれた場合, 腹腔内臓器が皮下に脱出する病態である. 腹壁ヘルニアの中でも稀とされ, 受傷時皮下出血を認める程度で軽傷と判断されることが多い. 今回我々は事故にて遅発性に生じた外傷性腹壁ヘルニアを腹腔鏡にて修復した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者: 53歳, 男性 主訴: 右側腹部膨隆 家族歴: 特記なし 既往歴: 特記なし 現病歴: 2012年4月肥料攪拌機修理中に, 急に動き出した回転翼に右大腿・前腕を巻き込まれて, 右大腿挫滅裂傷(ハムストリング損傷含...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2013-12, Vol.104 (12), p.595-598
Hauptverfasser: 廣重彰二, 久保信英, 折田博之, 佐伯浩司, 川中博文, 富川盛雅, 内山秀昭, 池田哲夫, 矢野篤次郎, 武藤庸一, 前原喜彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 外傷性腹壁ヘルニアは強力な外力により腹壁が損傷された時に, 皮膚・皮下組織の断裂や損傷を伴わずに皮膚の連続性が保たれた場合, 腹腔内臓器が皮下に脱出する病態である. 腹壁ヘルニアの中でも稀とされ, 受傷時皮下出血を認める程度で軽傷と判断されることが多い. 今回我々は事故にて遅発性に生じた外傷性腹壁ヘルニアを腹腔鏡にて修復した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者: 53歳, 男性 主訴: 右側腹部膨隆 家族歴: 特記なし 既往歴: 特記なし 現病歴: 2012年4月肥料攪拌機修理中に, 急に動き出した回転翼に右大腿・前腕を巻き込まれて, 右大腿挫滅裂傷(ハムストリング損傷含む), 外傷性右浅大腿動脈閉塞, 右前腕骨骨折の診断で, 右浅大腿動脈置換術を含む緊急手術を施行された. 術後の急性腎不全に対する持続血液透析濾過療法や創部感染に対する全麻下デブリードマン・植皮術が行われ, 入院後111日目に独歩可能となり自宅退院した.
ISSN:0016-254X