大腸癌イレウスに対しステント留置術後に根治術を施行した2例

「はじめに」 大腸癌イレウスは全大腸癌の3.1~15.8%に認められ, 決して稀な病態ではない. 大腸癌に伴う狭窄に対して従来経肛門的イレウス管の留置あるいは緊急人工肛門造設術が施行されてきたが, 2012年より本邦において大腸ステント留置術が保険収載され臨床において使用可能となった. 大腸ステント留置術は十分な術前検索や腸管の術前プレパレーションを施行したうえで待機的な手術が可能であり, 臨床的有効性が高い1). われわれは大腸癌イレウスに対するステント留置後一期的に根治術を施行した2例を経験したので報告する. 「症例」 症例1 患者: 61歳, 男性. 主訴: 吃逆・嘔吐 既往歴: 左鼠径...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2013-12, Vol.104 (12), p.580-584
Hauptverfasser: 石井絢, 杉山雅彦, 太田光彦, 隅田頼信, 木村和恵, 堤敬文, 山下洋市, 佐伯浩司, 内山秀昭, 川中博文, 森田勝, 坂口善久, 池田哲夫, 楠本哲也, 原田直彦, 池尻公二, 前原喜彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 大腸癌イレウスは全大腸癌の3.1~15.8%に認められ, 決して稀な病態ではない. 大腸癌に伴う狭窄に対して従来経肛門的イレウス管の留置あるいは緊急人工肛門造設術が施行されてきたが, 2012年より本邦において大腸ステント留置術が保険収載され臨床において使用可能となった. 大腸ステント留置術は十分な術前検索や腸管の術前プレパレーションを施行したうえで待機的な手術が可能であり, 臨床的有効性が高い1). われわれは大腸癌イレウスに対するステント留置後一期的に根治術を施行した2例を経験したので報告する. 「症例」 症例1 患者: 61歳, 男性. 主訴: 吃逆・嘔吐 既往歴: 左鼠径ヘルニア手術(56歳時), 現病歴: 2013年4月, 吃逆と嘔吐を主訴に当院受診. 腹部単純写真にてニボーを認め, CTにてS状結腸腫瘍に伴うイレウスと診断し緊急入院となった. 入院時現症: 腹部膨満を認め, 腹痛有り.
ISSN:0016-254X