大腸癌のリンパ節転移を予測する遺伝子の同定

「はじめに」 大腸癌の罹患率は依然高いが, 早期癌の発見率も増加し, 主にピットパターンなど腫瘍の表面性状から得る深達度の診断能も向上したことで内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection: EMR)や腹腔鏡下手術は急速に拡大してきている. 大腸癌におけるリンパ節転移は予後規定因子として重要であり治療方針決定においても重要な因子となるが, リンパ節転移の評価に広く用いられているcomputed tomography(CT), magnetic resonance imaging(MRI)のリンパ節転移検出の感度は決して高くない1)~3). 術前病期分類を正確に判...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2013-12, Vol.104 (12), p.559-563
Hauptverfasser: 上尾裕紀, 高野裕樹, 松村多恵, 藏重淳二, 新田吉陽, 江口英利, 主藤朝也, 杉町圭史, 佐伯浩司, 沖英次, 森田勝, 池田哲夫, 前原喜彦, 三森功士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「はじめに」 大腸癌の罹患率は依然高いが, 早期癌の発見率も増加し, 主にピットパターンなど腫瘍の表面性状から得る深達度の診断能も向上したことで内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection: EMR)や腹腔鏡下手術は急速に拡大してきている. 大腸癌におけるリンパ節転移は予後規定因子として重要であり治療方針決定においても重要な因子となるが, リンパ節転移の評価に広く用いられているcomputed tomography(CT), magnetic resonance imaging(MRI)のリンパ節転移検出の感度は決して高くない1)~3). 術前病期分類を正確に判定する上で, リンパ節転移を含む遠隔転移を予測する高精度の指標が求められている. 今回, 大腸癌157例の遺伝子プロファイルからリンパ節転移を予測するマーカー遺伝子の検索を行った. 遺伝子を同定する上で, その発現異常がゲノムコピー数異常に起因し, 安定した発現解析が可能な遺伝子をターゲットとし, 解析により同定されたマーカー遺伝子のリンパ節転移との関連と臨床的意義を検討した.
ISSN:0016-254X