肥満症・糖尿病の外科治療 ~Bariatric SurgeryからMetabolic Surgeryへ

「はじめに」 2003年, 世界保健機構(WHO)は, 世界中で17億人が太り気味(BMI25以上), 3億人が肥満(BMI30以上)であるとして, 肥満は近代世界の疫病であると位置づけた. その後も世界中で肥満者は増え続け2008年には5億人を超えた1). 米国では肥満が原因で年間40万人が死亡しているといわれている. 近年日本人にも肥満が増え, メタボリックシンドロームという概念も注目もされている. 本邦の病的肥満(BMI35以上)患者の割合は0.5%程度と欧米諸国と比較すると少ないが, 絶対数は60万人おり, 決して無視できる数ではない. しかもこの数は, 30年間で22倍になっていると...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2013-11, Vol.104 (11), p.397-404
Hauptverfasser: 橋本健吉, 関洋介, 笠間和典, 沖英次, 定永倫明, 佐伯浩司, 森田勝, 池田哲夫, 調憲, 松浦弘, 岡留健一郎, 前原喜彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 2003年, 世界保健機構(WHO)は, 世界中で17億人が太り気味(BMI25以上), 3億人が肥満(BMI30以上)であるとして, 肥満は近代世界の疫病であると位置づけた. その後も世界中で肥満者は増え続け2008年には5億人を超えた1). 米国では肥満が原因で年間40万人が死亡しているといわれている. 近年日本人にも肥満が増え, メタボリックシンドロームという概念も注目もされている. 本邦の病的肥満(BMI35以上)患者の割合は0.5%程度と欧米諸国と比較すると少ないが, 絶対数は60万人おり, 決して無視できる数ではない. しかもこの数は, 30年間で22倍になっているといわれており, その増加率が問題視されている. また, 日本人は欧米人に比べて, 低い肥満度で肥満関連疾患を合併しやすいことも知られており2), BMI35以下でも治療を要する患者がいるため, 治療対象はさらに多いと思われる.
ISSN:0016-254X