油症認定患者における, 制御性T細胞産生サイトカインIL-10, IL-35の検討

「はじめに」1968年カネミ油症事件発生後40年以上経過し, 初期に認められた激しい症状は消退傾向にあるが, 今でもざ瘡様の皮膚症状, 咳や痰などの呼吸器症状, しびれや頭重などの神経症状, 全身倦怠感などの全身症状など多彩な症状が残存している. 油症の原因であるカネミオイルにはPolychlorinated biphenyls (PCB), Polychlorinated quarterphenyls(PCQ)及びPolychlorinated dibenzofurans(PCDF)を含むdioxin類が混在している事がわかっている1). しかし, これらのダイオキシン類は自己代謝が進まず,...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2013-04, Vol.104 (4), p.91-94
Hauptverfasser: 小池雄太, 鍬塚大, 清水和宏, 宇谷厚志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」1968年カネミ油症事件発生後40年以上経過し, 初期に認められた激しい症状は消退傾向にあるが, 今でもざ瘡様の皮膚症状, 咳や痰などの呼吸器症状, しびれや頭重などの神経症状, 全身倦怠感などの全身症状など多彩な症状が残存している. 油症の原因であるカネミオイルにはPolychlorinated biphenyls (PCB), Polychlorinated quarterphenyls(PCQ)及びPolychlorinated dibenzofurans(PCDF)を含むdioxin類が混在している事がわかっている1). しかし, これらのダイオキシン類は自己代謝が進まず, また代謝経路が不明であることより治療薬の開発が遅れ, 油症患者では依然として高濃度のダイオキシン類が検出されている. Aryl hydrocarbon receptor(AhR)は2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)やPCBなどのダイオキシン類のレセプターとして, 肺や肝臓をはじめとして幅広く発現が報告され2), 遺伝子の転写を誘導し, ダイオキシン類の代謝経路を知る上で重要視されている.
ISSN:0016-254X