玄米発酵食品による油症原因物質の体外排泄促進
「はじめに」カネミ油症(油症)中毒事件が1968年に西日本を中心として発生して以来, 43年が経過しようとしている. 中毒事件発生当初に油症患者に認められた激しい症状は最近ではほとんどの患者で認められなくなっているが, 未だに皮膚の化膿傾向を認める患者も少なからずおり, 二極化の傾向にあるとも考えられる. また, 種々様々な自覚症状で苦しむ患者も少なくない. 現在でも油症患者は健常者と比較して, 油症の原因物質である2,3,4,7,8-五塩化ダイベンゾフラン(2,3,4,7,8-PenCDF)とポリ塩化ダイベンゾフラン(PCDFs)の平均濃度は約10倍も高い1). したがって, 油症患者の臨床...
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Veröffentlicht in: | 福岡医学雑誌 2011-04, Vol.102 (4), p.123-129 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」カネミ油症(油症)中毒事件が1968年に西日本を中心として発生して以来, 43年が経過しようとしている. 中毒事件発生当初に油症患者に認められた激しい症状は最近ではほとんどの患者で認められなくなっているが, 未だに皮膚の化膿傾向を認める患者も少なからずおり, 二極化の傾向にあるとも考えられる. また, 種々様々な自覚症状で苦しむ患者も少なくない. 現在でも油症患者は健常者と比較して, 油症の原因物質である2,3,4,7,8-五塩化ダイベンゾフラン(2,3,4,7,8-PenCDF)とポリ塩化ダイベンゾフラン(PCDFs)の平均濃度は約10倍も高い1). したがって, 油症患者の臨床症状や自覚症状を根本的に改善・治療する唯一最重要課題は油症原因物質の体内への吸収を抑制し, 体外への排泄を促進し, できるかぎり体内汚染レベルを低下させることである. 動物実験により, 食物繊維と葉緑素にはPCDFsおよびポリ塩化ダイベンゾ-p-ダイオキシン(PCDDs)の消化管での吸収と再吸収を抑制することにより, 体外への排泄を促進することが認められている2)~7). |
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ISSN: | 0016-254X |