過活動膀胱の成因とその治療の展望―特に筋原性説を中心として
「はじめに」膀胱平滑筋は, 他の平滑筋と異なり袋臓器としての蓄尿と排尿という特徴的な役割を担っている. 蓄尿時には, 下部尿路では, 膀胱は弛緩し, 内および外尿道括約筋が収縮し, 排尿時には膀胱収縮, 尿道弛緩という巧妙な協調運動によって機能を発揮する. ゆえにその機能が障害された時の治療は, 特に薬物治療となると, ターゲットとなる神経や平滑筋に対して, 興奮と同時に抑制というまったく逆の作用を同時に発揮させなければならないので非常に困難である. 本総説では蓄尿・排尿の障害である過活動膀胱の発症機序の解明にあたり最新の知見, 特に再び注目を集めることとなりつつある筋原性説に焦点をあて, そ...
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Veröffentlicht in: | 福岡医学雑誌 2010-05, Vol.101 (5), p.94-100 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」膀胱平滑筋は, 他の平滑筋と異なり袋臓器としての蓄尿と排尿という特徴的な役割を担っている. 蓄尿時には, 下部尿路では, 膀胱は弛緩し, 内および外尿道括約筋が収縮し, 排尿時には膀胱収縮, 尿道弛緩という巧妙な協調運動によって機能を発揮する. ゆえにその機能が障害された時の治療は, 特に薬物治療となると, ターゲットとなる神経や平滑筋に対して, 興奮と同時に抑制というまったく逆の作用を同時に発揮させなければならないので非常に困難である. 本総説では蓄尿・排尿の障害である過活動膀胱の発症機序の解明にあたり最新の知見, 特に再び注目を集めることとなりつつある筋原性説に焦点をあて, その治療法の実際と将来の展望について紹介する. 「1. 過活動膀胱とは」過活動膀胱(overactive bladder;OAB)とは, 「尿意切迫感を有し, 通常は頻尿および夜間頻尿を伴い, 切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態」とされる1). |
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ISSN: | 0016-254X |