ウイルス肝炎, 特に肝細胞癌合併症例に対する生体肝移植適応評価の現況

「はじめに」本邦における成人に対する生体肝移植においては, 2002年3月より進行性の胆汁うっ滞疾患である原発性胆汁性肝硬変症と原発性硬化性胆管炎が保険適用となり(保医第0808001号), 更に2004年1月より, それら以外のウイルス性肝硬変症を含む慢性肝不全に対しても保険適用となった(保医1215001号). しかしながら保険適用の記載に関しては, 「肝硬変(非代償性)」との漠然とした記載があるのみであり, 具体的な記載, 例えば米国(UNOS:United network for organ sharing)で使用されている肝不全進行度を示すMELD(Model for end-sta...

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Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2007-07, Vol.98 (7), p.295-300
Hauptverfasser: 井上佐和子, 森園周祐, 山下晋作, 堀川ゆき, 国府島庸之, 宮城譲, 吉本剛志, 古藤和浩, 遠城寺宗近, 高柳涼一, 副島雄二, 武冨紹信, 吉住朋晴, 前原喜彦, 中牟田誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」本邦における成人に対する生体肝移植においては, 2002年3月より進行性の胆汁うっ滞疾患である原発性胆汁性肝硬変症と原発性硬化性胆管炎が保険適用となり(保医第0808001号), 更に2004年1月より, それら以外のウイルス性肝硬変症を含む慢性肝不全に対しても保険適用となった(保医1215001号). しかしながら保険適用の記載に関しては, 「肝硬変(非代償性)」との漠然とした記載があるのみであり, 具体的な記載, 例えば米国(UNOS:United network for organ sharing)で使用されている肝不全進行度を示すMELD(Model for end-stage liver disease)score1)のようなものは存在しない. また, 肝硬変症例の多くに肝細胞癌(HCC:Hepatocellular carcinoma)が合併してくるが, 現在の保険適用ではまず非代償性肝硬変の存在が必須であり, そのなかでHCC合併の症例に関して, 腫瘍径5cm以下の単発症例あるいは腫瘍径3cm以下かつ3個以下というミラノ基準2)を満たす症例に限られている.
ISSN:0016-254X