先駆的医工学による循環器疾患の新たな治療戦略:脳を聴く, 創る, 超える
「はじめに」近年の医学の進歩はめざましく, 従来は難治と思われた幾多の疾患が救われるようになってきた. このような医学の進歩は2つの要因に支えられている. 一つは遺伝子関連の科学に支えられた分子生物学である. 分子生物学の進歩により, 特定の疾患に関しては原因遺伝子が突き止められ, その遺伝子情報を元に治療薬剤の開発が可能になってきた. もう一つの要因はコンピュータ, ITに象徴されるハイテクである. 当初はレントゲンや心電計などの極めて単純な医療技術しか存在しなかったが, その後の進歩は目覚ましく, 昨今の医療はこれらの医療機器の存在を除外しては考えられない状態になっている. しかしながら医...
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Veröffentlicht in: | 福岡医学雑誌 2005-03, Vol.96 (3), p.63-66 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」近年の医学の進歩はめざましく, 従来は難治と思われた幾多の疾患が救われるようになってきた. このような医学の進歩は2つの要因に支えられている. 一つは遺伝子関連の科学に支えられた分子生物学である. 分子生物学の進歩により, 特定の疾患に関しては原因遺伝子が突き止められ, その遺伝子情報を元に治療薬剤の開発が可能になってきた. もう一つの要因はコンピュータ, ITに象徴されるハイテクである. 当初はレントゲンや心電計などの極めて単純な医療技術しか存在しなかったが, その後の進歩は目覚ましく, 昨今の医療はこれらの医療機器の存在を除外しては考えられない状態になっている. しかしながら医療機器は, 極端なまでに診断装置としての応用に止まっている. 近年のマイクロプロセッサに象徴されるハードウエアの高機能化やナノ化, さらに情報や信号処理の論理の発展により, これらのハイテクを難治性疾患の治療に応用するバイオニック医学の可能性が開けてきた. |
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ISSN: | 0016-254X |