BorrmannIV型胃癌の発育進展における血管新生の生物学的意義
「はじめに」一般に癌組織には多くの微小血管が存在し, 癌の増殖・進展において腫瘍血管新生が必要不可欠とされており6), 血管新生の密度は癌の悪性度とも深い関係があるとされている5)18). 胃癌においても血管新生の盛んな癌は浸潤・転移しやすいことが報告されている9)14)16)がBorrmann IV型胃癌に限定した報告はほとんどなされていない. 血管新生に関わる因子は癌細胞により産生されると考えられてきたが, 最近では血管内皮細胞, 線維芽細胞, 炎症細胞などの間質の細胞からも血管新生促進因子が産生される事が明らかになっている7). なかでもマクロファージは, 乳癌やメラノーマ等いくつかの腫...
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Veröffentlicht in: | 福岡医学雑誌 2001-09, Vol.92 (9), p.334-339 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」一般に癌組織には多くの微小血管が存在し, 癌の増殖・進展において腫瘍血管新生が必要不可欠とされており6), 血管新生の密度は癌の悪性度とも深い関係があるとされている5)18). 胃癌においても血管新生の盛んな癌は浸潤・転移しやすいことが報告されている9)14)16)がBorrmann IV型胃癌に限定した報告はほとんどなされていない. 血管新生に関わる因子は癌細胞により産生されると考えられてきたが, 最近では血管内皮細胞, 線維芽細胞, 炎症細胞などの間質の細胞からも血管新生促進因子が産生される事が明らかになっている7). なかでもマクロファージは, 乳癌やメラノーマ等いくつかの腫瘍で血管新生に関与するとの報告がある1)17). マクロファージは血管新生を促進するというものと, 抑制するというものがあり11), 腫瘍組織における血管新生は腫瘍細胞のみならず間質のマクロファージによっても複雑に制御されていると考えられる. 今回われわれは, 胃癌の中でも特に予後が悪いことで知られているBorrmann IV型胃癌において血管新生の生物学的意義を特にマクロファージ浸潤との関連において検討した. |
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ISSN: | 0016-254X |