カネミ油症検診者における血清CK上昇の意義‐ラット筋細胞膜のFreeze fracture法による変化

1. 「はじめに」血清クレアチン・ホスフォカイネース(以下, 血清CK)の上昇がカネミ油症検診者の約20%に認められる13)14). 一般に血清CKの上昇は筋疾患や末梢神経の異常で認められる9). そして, 血中polychlorinated biphenyls(PCB)濃度高値が血清CK上昇の要因の一つである可能性を報告してきた13). 今回, カネミ油症検診者の血中のPCB濃度, polychlorinated quanterphenyls(PCQ)濃度と血清CK上昇の関係を調査し, 併せて, ラットにPCBを投与し, 筋細胞膜の変化の有無をfreeze fracture法を用いて検討した...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:福岡医学雑誌 2001-05, Vol.92 (5), p.184-189
Hauptverfasser: 吉村俊朗, 沖田実, 中尾洋子, 福田卓, 藤本武士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1. 「はじめに」血清クレアチン・ホスフォカイネース(以下, 血清CK)の上昇がカネミ油症検診者の約20%に認められる13)14). 一般に血清CKの上昇は筋疾患や末梢神経の異常で認められる9). そして, 血中polychlorinated biphenyls(PCB)濃度高値が血清CK上昇の要因の一つである可能性を報告してきた13). 今回, カネミ油症検診者の血中のPCB濃度, polychlorinated quanterphenyls(PCQ)濃度と血清CK上昇の関係を調査し, 併せて, ラットにPCBを投与し, 筋細胞膜の変化の有無をfreeze fracture法を用いて検討した. 2. 検診データについて1)対象平成7年~11年までのカネミ油症検診者のうち血清CKを測定できた延べ502名(内訳: 平成7年84名, 平成8年101名, 平成9年97名, 平成10年107名, 平成11年107名)を対象とした. 2)方法血清CK値を基に正常群(CK<198IU/I)と上昇群(CK≧198IU/I)の2群に分け, 血中のPCB濃度, PCQ濃度を比較した.
ISSN:0016-254X