尊厳ある生命の問題としての安楽死に関する研究
「要旨」本研究は, 安楽死問題について実態調査を行い, 尊厳ある生命の問題を検討する際の一助とし, 社会的問題への重要な示唆を得ることを目的とした. 調査対象は上野正彦による「尊厳死, 安楽死, 終末期医療を考える」の公開講座 (2018年10月開催) に参加した地域住民と看護学生で, 質問紙調査による741名の有効回答を分析した. 分析の結果, 安楽死の承認について, 自分自身の場合は "認める" が599名 (80.8%) であり, その理由として, "家族に迷惑をかけたくない" が516名 (69.6%) , "昏睡状態で生きるより死を望...
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Veröffentlicht in: | 看護学統合研究 2019-03, Vol.21 (2), p.1-14 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」本研究は, 安楽死問題について実態調査を行い, 尊厳ある生命の問題を検討する際の一助とし, 社会的問題への重要な示唆を得ることを目的とした. 調査対象は上野正彦による「尊厳死, 安楽死, 終末期医療を考える」の公開講座 (2018年10月開催) に参加した地域住民と看護学生で, 質問紙調査による741名の有効回答を分析した. 分析の結果, 安楽死の承認について, 自分自身の場合は "認める" が599名 (80.8%) であり, その理由として, "家族に迷惑をかけたくない" が516名 (69.6%) , "昏睡状態で生きるより死を望む" が466名 (62.9%) と高率であった. "安楽死の法制化" は, 肯定的な回答が558名 (75.3%) であった. 自由記述による, 安楽死に対する考えは【社会の承認と法制化】, 【自己の意思決定】, 【家族との話し合い】, 【死の価値観】, 医療における【生命の倫理】の5つのカテゴリーが抽出された. 安楽死問題の根底には人の生命に関わる問題があり, 倫理的問題や生命に対するこころの揺らぎなど, 医療関係者としてのジレンマなどが明らかとなった. 本研究より決定的な結論を得ることはできないが, 安楽死問題は個人の意思決定の尊重や, 生命の倫理, 命の尊厳からの検討が求められ, 法制化に向けては個人的な問題にするのではなく社会的問題として, さらなる検討, 議論を重ねる必要性が示唆された. |
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ISSN: | 1346-0692 |