実践的質的研究法M-GTAの方法論的特性

「抄録」 質的研究の現状を大きく定義問題ととらえ, 多様な認識論と柔軟な研究方法を理解するには方法論のレベルをおさえる必要がある. 本稿ではM-GTAについてオリジナル版GTAとの関係から継承する4項目と課題で残された3項目を論じ, そのうえで質的研究法として満たすべき6条件(分析方法の明確化, 分析プロセスの明示化, 深い解釈, 厚い記述, 分析の緻密さ・厳密さ, 分析結果の実践的活用)を提示しM-GTAがどのようにそれらに対応しているのかを論じている. 最後に, 質的データの分析を成功させるために分析過程全体を制御する方法の重要性を指摘し, M-GTAでのその方法を説明している. 質的研究...

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Veröffentlicht in:老年社会科学 2022-01, Vol.43 (4), p.383-389
1. Verfasser: 木下康仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」 質的研究の現状を大きく定義問題ととらえ, 多様な認識論と柔軟な研究方法を理解するには方法論のレベルをおさえる必要がある. 本稿ではM-GTAについてオリジナル版GTAとの関係から継承する4項目と課題で残された3項目を論じ, そのうえで質的研究法として満たすべき6条件(分析方法の明確化, 分析プロセスの明示化, 深い解釈, 厚い記述, 分析の緻密さ・厳密さ, 分析結果の実践的活用)を提示しM-GTAがどのようにそれらに対応しているのかを論じている. 最後に, 質的データの分析を成功させるために分析過程全体を制御する方法の重要性を指摘し, M-GTAでのその方法を説明している. 質的研究法は老年社会科学のような学際領域や多職種連携による実践領域との関連性や有効性が高く, その1つの方法としてM-GTAの活用に必要な方法論的特性を論じた.
ISSN:0388-2446