高齢者の居住継続性とその関連要因: 別荘地に移住した高齢者への5年間の追跡研究

別荘分譲地の定住高齢者を対象に,5年間の追跡研究から居住継続性とその関連要因を検討した.1997年に実施された調査(以下,初回調査)に回答の65歳以上男女242人(初回調査時平均年齢72.2歳,男性49.8%)を対象に,自治体の協力を得て追跡期間中の死亡および転出の有無とその発生時期を把握した.転出までの期間を従属変数とし,説明変数には,心身の健康,生活習慣,家族や子とのかかわり,地域とのかかわり,および住居・近隣環境要因を用いた.5年間の居住継続性は男性73.3%,女性75.2%であり,女性のほうが転出割合が高かった.Cox比例ハザードモデルによる分析の結果,高学歴,別居子からの支援,見晴ら...

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Veröffentlicht in:老年社会科学 2011/10/20, Vol.33(3), pp.385-394
Hauptverfasser: 斎藤, 民, 甲斐, 一郎, 杉澤, 秀博, 柴田, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:別荘分譲地の定住高齢者を対象に,5年間の追跡研究から居住継続性とその関連要因を検討した.1997年に実施された調査(以下,初回調査)に回答の65歳以上男女242人(初回調査時平均年齢72.2歳,男性49.8%)を対象に,自治体の協力を得て追跡期間中の死亡および転出の有無とその発生時期を把握した.転出までの期間を従属変数とし,説明変数には,心身の健康,生活習慣,家族や子とのかかわり,地域とのかかわり,および住居・近隣環境要因を用いた.5年間の居住継続性は男性73.3%,女性75.2%であり,女性のほうが転出割合が高かった.Cox比例ハザードモデルによる分析の結果,高学歴,別居子からの支援,見晴らしのよい住居ほど転出のリスクが高く,男性,温暖な地域に居住,近隣に助け合う住民が多いと評価するほど転出のリスクが低かった.居住継続性の関連要因として別居子との関係性とともに近隣環境が重要であることが示唆された.
ISSN:0388-2446
2435-1717
DOI:10.34393/rousha.33.3_385