予防のための心理社会的アプローチ

「1. 認知症予防の可能性」認知症予防を考えるならば, アルツハイマー病の発症遅延を図ることがもっとも重要である. 近年, 栄養, 運動, 知的活動など, アルツハイマー病の発症に関わる環境的危険因子・緩和因子が次第に明らかになってきた. また, 多くの実験的研究から, これらの要因とアルツハイマー病の発症に関わるアミロイドβと関係するメカニズムも次第に明らかになってきている. 知的活動の効果については, 認知機能を使うことによって神経のネットワークが強化され, 認知的予備力が増加するとする認知的予備力仮説が提唱され, それを支持する実験的な結果も報告されている. 「2. 地域型認知症予防プロ...

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Veröffentlicht in:老年社会科学 2008, Vol.30 (suppl), p.2-3
1. Verfasser: 矢冨直美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 認知症予防の可能性」認知症予防を考えるならば, アルツハイマー病の発症遅延を図ることがもっとも重要である. 近年, 栄養, 運動, 知的活動など, アルツハイマー病の発症に関わる環境的危険因子・緩和因子が次第に明らかになってきた. また, 多くの実験的研究から, これらの要因とアルツハイマー病の発症に関わるアミロイドβと関係するメカニズムも次第に明らかになってきている. 知的活動の効果については, 認知機能を使うことによって神経のネットワークが強化され, 認知的予備力が増加するとする認知的予備力仮説が提唱され, それを支持する実験的な結果も報告されている. 「2. 地域型認知症予防プログラムの開発」「地域型認知症予防プログラム」は, われわれが認知症予防を目的としたピュレーションアプローチとして開発してきたものである. 認知症の前段階である軽度認知障害の時期には, 特にエピソード記憶, 注意分割機能, 思考機能が早くから低下することが明らかになっているが, 地域型認知症予防プログラムは, 特に, 思考機能の中でも実行機能に関わる計画力を鍛える方法が工夫されている.
ISSN:0388-2446