地域高齢者を対象とした心理的・社会的・身体的側面からの類型化の試み

本研究は,高齢者を心理的・社会的・身体的側面の機能水準に基づいて類型化することを目的とした.分析対象は65~84歳の1,231人であった.心理的側面の指標には主観的幸福感,うつ状態,社会的側面の指標にはソーシャル・サポート,老研式活動能力指標,身体的側面の指標には病気の有無,握力を用いてクラスター分析を行った結果,5群に分類できた.1つの群は,全側面の指標値が高かった.また,2つの群は,全側面の指標値が低い群と全側面の指標値の低さに加えてうつ傾向が顕著な群であった.この3群では,指標値の高低に整合性があったと考えられる.一方,残りの2群は,身体的側面の指標値は低いが心理的・社会的側面の指標値が...

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Veröffentlicht in:老年社会科学 2008/04/20, Vol.30(1), pp.3-14
Hauptverfasser: 小川, まどか, 権藤, 恭之, 増井, 幸恵, 岩佐, 一, 河合, 千恵子, 稲垣, 宏樹, 長田, 久雄, 鈴木, 隆雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は,高齢者を心理的・社会的・身体的側面の機能水準に基づいて類型化することを目的とした.分析対象は65~84歳の1,231人であった.心理的側面の指標には主観的幸福感,うつ状態,社会的側面の指標にはソーシャル・サポート,老研式活動能力指標,身体的側面の指標には病気の有無,握力を用いてクラスター分析を行った結果,5群に分類できた.1つの群は,全側面の指標値が高かった.また,2つの群は,全側面の指標値が低い群と全側面の指標値の低さに加えてうつ傾向が顕著な群であった.この3群では,指標値の高低に整合性があったと考えられる.一方,残りの2群は,身体的側面の指標値は低いが心理的・社会的側面の指標値が高い群と,身体的側面の指標値は高いが心理的・社会的側面の指標値が低い群であり,身体的側面と心理的側面に乖離がある群が存在していた.また,全側面の指標値が高い群だけでなく,身体的側面の指標値が低い群においても幸福感の高さが確認された.
ISSN:0388-2446
2435-1717
DOI:10.34393/rousha.30.1_3