希釈次亜塩素酸水の長期使用による歯科用ユニット給水系の細菌汚染制御効果の可能性
歯科用ユニット給水系の水は細菌に汚染されているという報告は多い.本研究の目的は歯科用ユニット給水系の水の細菌汚染の程度を明らかにすること,および水の細菌汚染を制御するために,希釈次亜塩素酸水を歯科用ユニット給水系に流すシステムを導入し,その効果を調べることであった.システム導入直後の2週間は,歯科用ユニット給水系は持続的に希釈次亜塩素酸水で満たされていた.その後には希釈次亜塩素酸水は日中の歯科治療中に使用されたが,夜間には水道水で満たされた.細菌検査では,特に従属栄養細菌数の検査が行われた.システム導入前に歯科用ユニット3台のコップ,シリンジ,高速と低速のハンドピースを含む歯科用ユニット給水系...
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Veröffentlicht in: | 口腔衛生学会雑誌 2016, Vol.66(4), pp.371-380 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 歯科用ユニット給水系の水は細菌に汚染されているという報告は多い.本研究の目的は歯科用ユニット給水系の水の細菌汚染の程度を明らかにすること,および水の細菌汚染を制御するために,希釈次亜塩素酸水を歯科用ユニット給水系に流すシステムを導入し,その効果を調べることであった.システム導入直後の2週間は,歯科用ユニット給水系は持続的に希釈次亜塩素酸水で満たされていた.その後には希釈次亜塩素酸水は日中の歯科治療中に使用されたが,夜間には水道水で満たされた.細菌検査では,特に従属栄養細菌数の検査が行われた.システム導入前に歯科用ユニット3台のコップ,シリンジ,高速と低速のハンドピースを含む歯科用ユニット給水系からの種々の水20検体を検査したが,すべてにおいて高濃度の細菌が検出された.導入前に行った低速ハンドピースの水のフラッシングは細菌汚染を制御できなかった.システム導入後1~8週において36検体を検査したが,全くあるいはわずかしか細菌は検出されなかった.システム導入5年後には,全12検体中10検体からは350 CFU/mL以下の細菌しか検出されなかった.また12検体中11検体の値は,厚生労働省の水道水目標設定値(暫定基準)をクリアしていた.システム使用開始2か月後に,歯科用ユニット3台中1台に水漏れがみられ,器材を交換した.その後,それら3台の歯科用ユニットではシステムに関連した故障はみられなかった.結果としては,希釈次亜塩素酸水を用いた本システムは長期間,歯科用ユニット給水系の細菌汚染を制御する可能性があると考えられた. |
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ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.66.4_371 |