現在歯を有する要介護高齢者における嚥下機能の低下と口腔衛生状態との関連性

現在歯を有する要介護高齢者が増加していることから,嚥下機能と口腔衛生状態の2つの観点から有歯顎高齢者の状況を把握するために調査を行った.特別養護老人ホームの有歯顎要介護高齢者を被験者として,嚥下機能を含む口腔機能・状況と口腔衛生状態(ケア必要度指数(DPI),細菌数,連鎖球,Fusobacterium属およびPrevotella属の各菌数,日和見感染菌の検出状況)を調べた.得られた結果は,改訂水飲みテストの成績から嚥下機能良好群,嚥下機能低下群の2群に分け,両群間を比較するとともに,各群内における調査項目間の相関を求めた.2群間の比較では,嚥下機能低下群の細菌数,Fusobacterium属お...

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Veröffentlicht in:口腔衛生学会雑誌 2012, Vol.62(5), pp.478-483
Hauptverfasser: 森野, 智子, 大川, 勝正, 萩原, 芳幸, 関, みつ子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:現在歯を有する要介護高齢者が増加していることから,嚥下機能と口腔衛生状態の2つの観点から有歯顎高齢者の状況を把握するために調査を行った.特別養護老人ホームの有歯顎要介護高齢者を被験者として,嚥下機能を含む口腔機能・状況と口腔衛生状態(ケア必要度指数(DPI),細菌数,連鎖球,Fusobacterium属およびPrevotella属の各菌数,日和見感染菌の検出状況)を調べた.得られた結果は,改訂水飲みテストの成績から嚥下機能良好群,嚥下機能低下群の2群に分け,両群間を比較するとともに,各群内における調査項目間の相関を求めた.2群間の比較では,嚥下機能低下群の細菌数,Fusobacterium属およびPrevotella属の菌数が嚥下機能良好群に比べ有意に高い値を示し,現在歯を有する高齢者の口腔ケアのプランニングを行う際には,被験者の嚥下機能の状況を配慮する必要があることが示唆された.嚥下機能良好群内では,DPIと細菌数および連鎖球菌数とが強い相関を示した.また,嚥下機能低下群では,DPIが細菌数および歯数と強い相関を示し,歯を多く有する嚥下機能の低下した高齢者では,誤嚥性肺炎予防のために専門的な口腔ケアが重要だと考えられた.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.62.5_478