12. 蛍光染色フィルタ法を用いた根管内細菌の迅速定量

目的:これまでわれわれは, 蛍光染色フィルタ法は短時間で口腔内細菌数を生菌, 死菌を区別して測定可能な方法であることを報告してきた. 今回われわれは蛍光フィルタ法を用いて, 歯内治療の根管洗浄前後における細菌数の変化を測定し, さらに生菌, 死菌数の変化について検討した. 材料と方法:歯内治療中の15根管を対象とした. ペーパーポイトを根管内に挿入しサンプルを採取した後, 10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液と3%過酸化水素水での交互洗浄を行った. 同様にして洗浄後の根管内のサンプルを採取した. 採取したサンプルをPBS溶液に懸濁し, 蛍光染色フィルタ法を用い根管洗浄前後の生菌数, 死菌数を測定し...

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Veröffentlicht in:口腔衛生学会雑誌 2009, Vol.59 (5), p.617-618
Hauptverfasser: 高橋優介, 吉田明弘, 正清義朗, 安細敏弘, 粟野秀慈, 新谷泰之, 竹原直道
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:これまでわれわれは, 蛍光染色フィルタ法は短時間で口腔内細菌数を生菌, 死菌を区別して測定可能な方法であることを報告してきた. 今回われわれは蛍光フィルタ法を用いて, 歯内治療の根管洗浄前後における細菌数の変化を測定し, さらに生菌, 死菌数の変化について検討した. 材料と方法:歯内治療中の15根管を対象とした. ペーパーポイトを根管内に挿入しサンプルを採取した後, 10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液と3%過酸化水素水での交互洗浄を行った. 同様にして洗浄後の根管内のサンプルを採取した. 採取したサンプルをPBS溶液に懸濁し, 蛍光染色フィルタ法を用い根管洗浄前後の生菌数, 死菌数を測定した. 結果:採取した根管サンプルを, 蛍光染色フィルタ法により測定した結果, 交互洗浄の前後で生菌数は平均78.7%, 死菌数は平均79.1%減少した. 考察:われわれは過去に, 蛍光染色フィルタ法による生菌数の測定と標準寒天平板培養法によるCFUの間には, 高い相関がみられ, また, 唾液を使用した臨床サンプルを用いた場合も, 生菌死菌を区別して測定できることを報告している. 本研究の結果より, 歯内治療中の根管洗浄前後で細菌数は生菌, 死菌とも大幅に減少することが示された. このように蛍光染色フィルタ法が歯科臨床の場において, 歯内療法における根管内細菌の測定に応用可能であることが示唆された.
ISSN:0023-2831