P10. pHサイクルによるウシエナメル質の初期齲蝕再石灰化に及ぼすフッ化物の影響

近年, フッ素の初期齲蝕に対する再石灰化能は予防歯科の分野で幅広く応用されている. しかし, さまざまな齲蝕の要因や患者の意識等により, 初期齲蝕の進行を防ぎ, エナメル質を回復させることができない場合が多々あるのが現状である. そこで, われわれは個人の口腔内環境や, 食事因子に対応した効率のよいフッ素の応用を解明する実験を行うために, まず, caries attack下でもフッ素に効果が認められるか検討した. ウシ抜去歯牙を用いて人工的な初期齲蝕試料を作製し, それらをpHサイクルにおいて, 再石灰化溶液中に2ppmフッ素を添加する群と添加しない群に分け, 再石灰化状態をQLF(光誘導蛍...

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Veröffentlicht in:口腔衛生学会雑誌 2009, Vol.59 (5), p.608-608
Hauptverfasser: 黒部舞, 川崎弘二, 青木秀記, 福島克明, 神原正樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, フッ素の初期齲蝕に対する再石灰化能は予防歯科の分野で幅広く応用されている. しかし, さまざまな齲蝕の要因や患者の意識等により, 初期齲蝕の進行を防ぎ, エナメル質を回復させることができない場合が多々あるのが現状である. そこで, われわれは個人の口腔内環境や, 食事因子に対応した効率のよいフッ素の応用を解明する実験を行うために, まず, caries attack下でもフッ素に効果が認められるか検討した. ウシ抜去歯牙を用いて人工的な初期齲蝕試料を作製し, それらをpHサイクルにおいて, 再石灰化溶液中に2ppmフッ素を添加する群と添加しない群に分け, 再石灰化状態をQLF(光誘導蛍光定量法)を用いて比較検討した. その結果, 2ppmフッ素添加群ではわずかながら再石灰化が確認されたが, 非添加群では脱灰の進行が確認された. 今後, フッ素を口腔内にどのように維持するか, どうすれば歯牙へのフッ素の取り込みを促進できるかを検討する実験を進めていきたいと考えている.
ISSN:0023-2831