8. 幼児歯科健診の精度向上の必要性について

昭和30年代から始まった幼児歯科健診は, 当時, 蔓延していたう蝕症に端を発したと言っても過言ではないが, その後も, う蝕減少のみに焦点があてられ続けた結果. う蝕以外の健診項目については歯科大学の報告よりもきわめて低率の状態が続いている. さらに, 生歯数にいたっては, 健診項目にあるにもかかわらず, 集計データすらない状況である. その現状や課題を明確にするため, 道内6市, 全国の状況および管内歯科医師会の協力を得て, 健診医の検出差等をみた. その結果, う蝕も含め各検査項目についてきわめて大きな差が, 年ごと, 市ごとおよび健診医ごとにみられた. この傾向は, 全国の状況でも同様で...

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Veröffentlicht in:口腔衛生学会雑誌 2009, Vol.59 (3), p.221-221
Hauptverfasser: 和田聖一, 野崎正恵, 森昭久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:昭和30年代から始まった幼児歯科健診は, 当時, 蔓延していたう蝕症に端を発したと言っても過言ではないが, その後も, う蝕減少のみに焦点があてられ続けた結果. う蝕以外の健診項目については歯科大学の報告よりもきわめて低率の状態が続いている. さらに, 生歯数にいたっては, 健診項目にあるにもかかわらず, 集計データすらない状況である. その現状や課題を明確にするため, 道内6市, 全国の状況および管内歯科医師会の協力を得て, 健診医の検出差等をみた. その結果, う蝕も含め各検査項目についてきわめて大きな差が, 年ごと, 市ごとおよび健診医ごとにみられた. この傾向は, 全国の状況でも同様であった. 本報告の結果は, 現行, 市町村が行っている幼児歯科健診の信頼性に大きな疑問を提示するものである. 今後も幼児歯科健診を集団方式で行うのであれば, 早急に改善すべき課題である. さらに, 歯科大学のカリキュラムに集団健診を位置づける実習をする, あるいは, 卒後の歯科医師研修プログラムとして必修化するなど, 根本的な対応が必要である.
ISSN:0023-2831