8. 福岡市の妊婦歯科健診事業について
福岡市では, 産科医院で母子健康手帳が配布され, そこで定期的な妊婦健診が実施されている. 一方妊婦歯科健診は各保健所で行われており, 受診率は低かった(平成17年度受診率7.9%). 平成18年度より, 福岡市医師会, 福岡市歯科医師会が連携し, 妊婦が直接歯科医院で歯科健診を受けるといった受診しやすい環境づくりやアピールを行い, 新しい妊婦健診に取り組んだ. 従来型の健診のように, 病気を見つけ治療勧奨するというスタイルは歯科医側からの押し付けととられかねないことから, 健診に加えて健康教育にも重点をおいて実施した. 出産後には母子ともに定期健診へ誘導することで, 生涯を通した口腔ケアの足...
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Veröffentlicht in: | 口腔衛生学会雑誌 2008, Vol.58 (5), p.569-569 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 福岡市では, 産科医院で母子健康手帳が配布され, そこで定期的な妊婦健診が実施されている. 一方妊婦歯科健診は各保健所で行われており, 受診率は低かった(平成17年度受診率7.9%). 平成18年度より, 福岡市医師会, 福岡市歯科医師会が連携し, 妊婦が直接歯科医院で歯科健診を受けるといった受診しやすい環境づくりやアピールを行い, 新しい妊婦健診に取り組んだ. 従来型の健診のように, 病気を見つけ治療勧奨するというスタイルは歯科医側からの押し付けととられかねないことから, 健診に加えて健康教育にも重点をおいて実施した. 出産後には母子ともに定期健診へ誘導することで, 生涯を通した口腔ケアの足がかりにもなることも想定した. 平成18年度においては受診者は減少した. これは健診の有料化が原因と思われる. 平成19年度は受診者が2.5倍に増加した. これは, 健診負担金の減額と今までの取り組みが浸透してきたためと思われる. 受診率向上のため, 妊婦歯科健診の無料化, 独自のサービス(唾液検査, 口臭検査等)の導入も含め, 今後検討が必要である. 健診票において, 未記入等記載の不備が散見されたので, 用紙の改編や協力歯科医院に対するさらなる協力要請が必要と思われる. 今回健康教育について, 実施状況や効果について調べることができなかった. また, 妊婦歯科健診が母子の定期的な健診へつながるのかは期間をおかないと判明しない. あわせて追跡調査が必要である. |
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ISSN: | 0023-2831 |