10. 唾液検体を使った歯周病のスクリーニングに関する試み

従来からの探針を用いた歯周疾患検診は受診率が低迷している. これは罹患率の高い歯周疾患が対象で要精検要治療との判定率も高く不十分な健康教育のため, 受診者が利益を実感していないことが原因と考えられる. 一方, 一般健康診断の一環として唾液検体採取による歯周病検診を行うことは, 他の内科的検診結果との関連づけにより, 全身のなかの口腔という理解を高める効果が期待されている. 今回われわれは長時間唾液検体を安定に保存できる新規調製保存液を用い, 実験協力者から採取した唾液について, ヘモグロビンおよび乳酸脱水素酵素の含有量と歯周組織検査結果および問診票との関連を分析した. その結果, ヘモグロビン...

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Veröffentlicht in:口腔衛生学会雑誌 2007, Vol.57 (3), p.227-227
Hauptverfasser: 小菅玲, 大内康弘, 山崎尚哉, 大山治, 梁川誠郎, 長田純一, 村上正博, 阿部洋一郎, 高野友幸, 村上廣一, 馬場智彦, 藏本静雄, 小関健由
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:従来からの探針を用いた歯周疾患検診は受診率が低迷している. これは罹患率の高い歯周疾患が対象で要精検要治療との判定率も高く不十分な健康教育のため, 受診者が利益を実感していないことが原因と考えられる. 一方, 一般健康診断の一環として唾液検体採取による歯周病検診を行うことは, 他の内科的検診結果との関連づけにより, 全身のなかの口腔という理解を高める効果が期待されている. 今回われわれは長時間唾液検体を安定に保存できる新規調製保存液を用い, 実験協力者から採取した唾液について, ヘモグロビンおよび乳酸脱水素酵素の含有量と歯周組織検査結果および問診票との関連を分析した. その結果, ヘモグロビンと乳酸脱水素酵素の測定値の積と歯周組織検査結果との間に強い関連が認められた. 受診勧告対象者の抽出精度をさらに向上させるためには, 問診票で選択された自覚症状のうち歯肉出血歯肉腫脹歯牙動揺を抽出要素とすることが有用であることが示唆された.
ISSN:0023-2831