5. 新潟県内の児童相談所・養護施設に保護されている児童の口腔内状況について

近年, 社会における児童虐待への関心は高まっている. しかしながら検診は義務付けられておらず, 実態のわからない点が多かった被虐待児の口腔内状況を明らかにするために, 平成17年3月に新潟県内の1児童相談所と2児童養護施設に入所していた児童, 計88人(平均年齢8.9歳)に口腔内診査とアンケート調査を行った. 6~11歳児ではDMF歯数1.00本, 未処置歯率42.2%と平成15年度新潟県平均(各々0.42本, 28.8%)よりも高い値を示した. 3~5歳児および12~18歳児においても同様の傾向があった. その一方, 施設ごとに比較してみると, 長期にわたり保護を行っている施設では未処置歯率...

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Veröffentlicht in:口腔衛生学会雑誌 2007, Vol.57 (1), p.56-56
Hauptverfasser: 高橋収, 葭原明弘, 岡田広明, 片山修, 永井正志, 岡田匠, 宮崎秀夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 社会における児童虐待への関心は高まっている. しかしながら検診は義務付けられておらず, 実態のわからない点が多かった被虐待児の口腔内状況を明らかにするために, 平成17年3月に新潟県内の1児童相談所と2児童養護施設に入所していた児童, 計88人(平均年齢8.9歳)に口腔内診査とアンケート調査を行った. 6~11歳児ではDMF歯数1.00本, 未処置歯率42.2%と平成15年度新潟県平均(各々0.42本, 28.8%)よりも高い値を示した. 3~5歳児および12~18歳児においても同様の傾向があった. その一方, 施設ごとに比較してみると, 長期にわたり保護を行っている施設では未処置歯率が低いこともわかった. したがって, 児童相談所などの入所期間の短い施設では治療を優先し, 入所期間の長い施設ではフッ化物の応用などのう蝕発生予防に重点をおくなど, 施設の特性に合わせてケアを行う必要があることが示唆された.
ISSN:0023-2831