純チタンおよびチタン合金(Ti-6Al-4V)に及ぼすフッ化物製剤の影響
チタン・チタン合金にフッ化物が接触すると腐食するとした,小田らの報告がある.しかし,これらの報告は臨床的に用いられる条件に比べ非常に厳しい条件に基づいたものであった.そこで本研究では,中性フッ化物歯面塗布剤およびフッ化物洗口剤を実際の臨床に近い条件下で純チタンおよびチタン合金に作用させ,それにより及ぼされる影響について経時的な評価を行った.純チタン・チタン合金に,中性フッ化物歯面塗布剤(ネオ^, 9,000ppmF)およびフッ化物洗口剤(ミラノール^, 450ppmF)と人工唾液との交互浸漬をさせ,測定試料とした.腐食の評価としては,色彩色差計を用いた浸漬前後の色差(ΔE)ならびにSEMを用い...
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Veröffentlicht in: | 口腔衛生学会雑誌 2006/04/30, Vol.56(2), pp.126-131 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | チタン・チタン合金にフッ化物が接触すると腐食するとした,小田らの報告がある.しかし,これらの報告は臨床的に用いられる条件に比べ非常に厳しい条件に基づいたものであった.そこで本研究では,中性フッ化物歯面塗布剤およびフッ化物洗口剤を実際の臨床に近い条件下で純チタンおよびチタン合金に作用させ,それにより及ぼされる影響について経時的な評価を行った.純チタン・チタン合金に,中性フッ化物歯面塗布剤(ネオ^, 9,000ppmF)およびフッ化物洗口剤(ミラノール^, 450ppmF)と人工唾液との交互浸漬をさせ,測定試料とした.腐食の評価としては,色彩色差計を用いた浸漬前後の色差(ΔE)ならびにSEMを用いた表面形状観察によって行った.その結果,変色については,両測定試料とも色差の有意な増加は認められなかった.また,表面形状観察においても,浸漬前に比べSEM像に著明な変化は認められなかった.本実験と小田らの実験結果の違いは,本実験では実験条件を臨床的な人工唾液との交互浸漬としたところを小田らは連続浸漬で行った点と思われる.以上より,う蝕予防の臨床において,中性フッ化物歯面塗布剤およびフッ化物洗口剤による純チタン・チタン合金への影響は臨床上問題にならないことが示された. |
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ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.56.2_126 |